チャーニヴチの安宿での宴:ウォッカ・ゲーム

 

前回のブログ「チャーニヴチの安宿での宴:金魚鉢カクテルからの続きです。

 

 

※本ブログの内容は、私が初めてウクライナを訪問した2014年当時の内容です。

 

ご存知のように、現在ウクライナはロシアによる侵略戦争を受け、大変な状況にあります。

 

連日ニュースで伝わってくるのは、過酷な戦渦の内容が多いです。

 

「比較的平時のウクライナの素顔」を伝える目的で、過去の旅の内容を綴っています。

 

 

金魚鉢カクテルを数人で鉢ごと飲み干したレヴィウ大学の学生たちと英人の宿主。自分もほんの少し混ぜてもらったが、金魚鉢カクテルはその見た目の可愛らしさや滑稽さとは裏腹に、ベースがウォッカなので、それなりにアルコール度数のあるものであった。そのアルコールはしっかりと酔いが回るものである。

 

さらに、この金魚鉢カクテルはあくまで宴のスターターであり、これに気をよくした宿主や飲み会の雰囲気に二義的に酔い始めた学生たちは、次の酒へと盛り上がる。今度はウォッカのショット・グラスを飲み干し、その杯を丸バツのようなボードに置いていくというゲームである。

 

このゲームに参加するだけで、枡に置くためのショットを飲み干すため、ある程度はウォッカを飲まなければならず、また相手が勝てば、負けた方はまた飲まされるというルールだ。ウォッカの合間にオレンジ・ジュースなどでお酒を薄めたり口直しをするが、それでもどんどん酒量が増えていくのは明らかである。

 

 

さて、ウクライナの子たちは、若くともそれなりにお酒に強い子が多い。それでも、まだ大学に入ったばかりで飲み慣れておらず、金魚鉢カクテルの段階で数人は「もう酔ったよ」と脱落し、このウォッカ・ゲームで嬉々としてはしゃいでいた残りの数人も、次々に飲み干すウォッカのショット・グラスで酔いがまわり、ウォッカのボトルが一つ二つと空になる頃には、すっかり皆が「酔っ払い」であった。

  

この夜、グループで一番お酒に強かったのは、翌日に旅人の自分のため、英語の通訳として随分とウクライナの理解を助けてくれたYであったが、彼女も宿主に「飲み相手」としてすっかり気に入られ、ウォッカ・ゲームで随分と飲まされていた。それでも果敢かつ陽気にゲームに挑む彼女は頼もしくもあった。

出会ってから数時間以内に、すっかり「酔っ払い同士」となったウクライナ西都のレヴィウ大学の学生たちとは、酒の力も手伝い、一気に距離が縮まり親しい友人となれたのは僥倖であった。彼らとの出会いが、その後ウクライナへの想いの深さを増し、今日のロシアによる侵略戦争へのやり場のない想いにもつながるのであるが、それでも彼女たちと知り合えたことで、リアルに親近感を持てる人々がウクライナやその近隣にいることが、今でも心を潤す財産となっている。

彼女たちをリアルな存在として知らなければ、ウクライナへのロシアの侵略戦争も「遠い異国の地の出来事」という感覚で見ることができたかもしれないが、その温かい人柄の彼女たち、リヴィウ工科大学の世話焼きの学生たちのことを知ってしまった以上、もうウクライナを「どこかよく知らない東欧の一国」という目では見られなくなり、日々のロシアによる侵略戦争のニュースの進展に、一喜一憂している自分がいる。家族や友人が戦争を仕掛けられた国にいるとは、つまりそういうことなのだろう。

 

 

次のブログに続けます。

これは酔う

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