ASEANのゲイ事情6 タイ王国 2017年度 魔性の女王?

 

 先日(7月)、タイ王国のレディー・ボーイ期待の新星であるYoshiちゃんを取り上げた。タイ王国には各種ミス・コンテストやミスター・コンテストと並んで、レディー・ボーイ(トランス・ジェンダー)のミス(元ミスター)・コンテストが毎年いくつも開催されている。その中で最も知名度と名誉のあるのが、パタヤに大型店舗を構えるレディー・ボーイたちのショー・キャバレーである「ティファニー」の開催する、「ミス・ティファニー・コンテスト」である。

 

 同じくパタヤにあり、ティファニーよりもやや格下のショーを開催する「ミモザ」という名のエンターテイメント商業施設も、毎年のようにミス・コンテストを開催している。報道写真を見る限り、ミス・ティファニーのプレゼンターとして、過去のミス・ミモザが登壇することもあるようだ。

 

真ん中のゲイっぽい人含め、元々は3人とも男
真ん中のゲイっぽい人含め、元々は3人とも男

 先日のブログで、「Yoshiちゃんが2017年度のミス・ティファニーにエントリーしており、かなりいいところまでいくのではないか」という予測をした。その後の結果を気にしていた方もいるかもしれないので、続報として書いておこう。

 

 8月末のコンテスト・ファイナルにおいて、当ブログでの予想通り、Yoshiちゃんは優勝(ミス・ティファニー)したのである。Yoshiちゃん、おめでとう。

 

 2017年度のミス・ティファニー・コンテストに「Yoshiちゃんが出る」という段階で、他の候補者たちは、相当に落胆したのではないだろうか。なにせ「あのYoshiちゃんが自分のライバル」なのだから。 本物の女性でも勝てる気がしないと思う方がほとんどだろう。素直で正直なことは良いことです。

 

 「そんなことないよ、私の方が圧倒的に綺麗よ」という女性は、著しく勘違いされているか、視力と精神状態に問題がある恐れがあるので、眼科と心療内科の検診をオススメする。

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 さて、2017年のミス・ティファニーの商品と賞金の一部が、バンコク・ポストに記されていた。賞品として200万バーツ以上(約666万円以上)のメルセデスGLA、賞金が12万バーツ(約39万円)とのこと。

 

 実際には、12万バーツ(約39万円)の賞金など、「ミス・ティファニー」のブランドを獲得したYoshiちゃんの今後の仕事のギャラを考えれば、大したことはない。しかし、200万バーツ以上(約666万円以上)のメルセデスGLAは正直すごいなと思う。トランス・ジェンダーのミス・コンテストの賞品が、ここまで高額なレベルに達しているのだ。日本で「トランス・ジェンダーの全国的なコンテスト」があったとしても、ここまでの協賛を得るのは難しいのではないか。主催者が相当に頑張っても、国産の軽自動車(20万バーツ相当)がいいところである気がする。

 

 日本のようにゲイやレズビアン、バイ・セクシャルの人々の多くが、自身のセクシャリティを隠しながら肩身の狭い思いをして暮らしている社会と、タイ王国のように彼らが一定の市民権を得ている性の多様性に寛容な社会では、LGBTの中でも美貌を売りとする際に、その報酬に相当の開きが生じる。

 

 Yoshiちゃんのポージングの切り替えの早さなどから推察するに、彼女の肝っ玉は相当に座っているので、今後の活躍も期待できそうだ。かつて下半身にぶら下がっていた「相棒とお袋さん」とも、若くしてきっぱりと別れている「揺るぎない決断力」も備わっている。中国・香港・台湾など、ミス・ティファニーの先輩であるPoyちゃんが歩んだスターダムをのし上がっていくことも十分にあるだろう。

ハイヒールをはくと180以上になるので、恋人もそれなりの男性でないと
ハイヒールをはくと180以上になるので、恋人もそれなりの男性でないと

 

Yoshiちゃん、今後も要チェック。

『攻殻機動隊 Ghost in the Shell (1995, 2017)』を観比べる

 

 アニメーション界では伝説的な作品となっている、押井守監督の『攻殻機動隊』は、国内外のクリエイターに多大な影響を与えた作品として名高い。欧米のライブ・アクション(実写版)の映画監督たちの多くにも影響を与え、押井守監督を崇める国際的に著名な監督も少なくない。あの『マトリックス』の緑の数字や文字がコロコロと変わるデジタル映像も、この『攻殻機動隊』へのオマージュとさえ言えるだろう。

 

 2017年、ハリウッド版の実写映画である『攻殻機動隊』がリリースされ、劇場で観るタイミングを逃したのでDVDで観た。今回、1995年のオリジナルの『攻殻機動隊』を観直し、2017年の新しいそれと観比べてみた。

Ghost in the Shell 2017

 

 

 

攻殻機動隊 1995

 

 

 

 

 まず、オリジナルの『攻殻機動隊』(1995)であるが、もうこれは掛け値なしのアニメーション映画史に残る傑作である。押井守監督はこの一本をして映画史に残る仕事をしてしまったと言えるし、その後、この作品を超えるモノを撮ることが、押井守監督をしても非常に困難であることを我々は目撃している。

 

 一応、野暮であるのは承知の上で、いつもの映画の五段階評価をしておこう。

『攻殻機動隊』(1995

 

 オリジナリティを1点減点したのは、原作の漫画があるため。しかし、漫画をアニメーションにする段階で作品に相当なオリジナリティが加えられているので、五段階評価を満点としても良いのであるが、点を引く部分要素がなくなってしまうので、あえてここだけ一点減点とした。ファン心理としては、満点でも足りないぐらいだけれど。

 

 1995年の段階のアニメーション映画において、これだけの映像美、モンゴルの女性楽団を使ったあの独特のサウンド・トラックを用いた押井守監督のセンスに、世界中の映画製作者は脱帽した。 『アバター』や『タイタニック』で世界的な興行収入の金字塔を打ち立てているジェームズ・キャメロン監督さえも、押井守監督には多大な敬意を評している。

 

 その押井守監督が敬愛するのは、やはり宮崎駿監督である。辛口で知られる押井守監督であるが、「宮さんがいるから、(庵野監督を含む)自分たちは好き勝手できる」と言わしめる巨人がいることは、日本の現代アニメーション界にとって豊穣な作品創りの環境があることを示す例であるだろう。

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 さて、続けてGhost in the Shell』(2017だ。

 

 

 この作品は、オリジナルのファンからは酷評されている。だが、作品の名称は同じではあるが、あえて「オリジナルへのオマージュ作品」、「別の作品」として観るには、十分に美しい映像美がある作品に仕上がっていると思う。同名なのが問題になるだけで。

 

 未来の香港を描いたような街は一瞬たりとも見逃したくないほど美しく、立体的なホログラムが街の随所に浮き上がる世界は、どのシーンも飽きさせない。どのシーンにも観入ってしまう美しさがある。

 

 主演のスカーレット・ヨハンソンも押井守監督が「好きな顔」というだけあって、作品世界にすっと入っている。ビートたけし(北野武)の存在がやや浮いているのが残念ではあるが、終盤に出てくる桃井かおりは、いぶし銀の存在感を放っている。

 

 オリジナルには、「母親との再会」の設定はなかったと思うのだが、これは足されていて、逆にいくつかの大事な要素が引かれているのが、往年のオリジナル『攻殻機動隊』ファンには許せないという理由となっているようだ。また、リメイクの「説明臭いのも許せない」という人がいるが、ハイウッド映画においては、そもそも「説明しないで観る者に考えさせる」という敷居の高さは許されないのだろう。

 

 それでは、最後に同じく五段階評価を。

 

 

Ghost in the Shell』(2017

限定時間内のみ視聴できるオンデマンド(レンタル)版

 

 

 

『攻殻機動隊』は、また観直すことになりそう。

 

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