『身体で考える。』 内田樹 成瀬雅春

 

 内田樹(うちだたつる)と成瀬雅春(なるせまさはる)さんの身体論。

 

 これまでにも内田樹さんの本は10冊以上は読んできた。同じ対談物の岡田斗司夫さんとの『評価と贈与の経済学』も合わせて読んでみたのだが、こちらはそう大きく響くものはなかった。

 

 しかし、この『評価と贈与の経済学』がつまらない本であったかというと、そうでもない。それなりに「そうだよね」と同意できる部分や新しい考え方もいくつかあった。それでも自分にとって「響いた感」があったのは、『身体で考える。』の方である。

 

 『身体で考える。』の読後、歩行にすら意識をあげて取り組める人が増えるであろうことは容易に想像できる。

 

 

 

 幼少期と大学入学前後の数年、空手を習ったことがある。「ゆる体操」で世の人々(の一角)に知られることになった、高岡英夫さんが師範であった空手会派であったが、彼の方向性がビジネス面に向かってしまった後に、会派は離散してしまうこととなった。

 

 気の良い道場長や先生たちが集まり、子供達を暖かく指導し、他の会派から高岡英夫さんの理論に惹きつけられてやってきた人々を歓迎するだけの度量の大きな会派であったが、いつしかビジネス的に拡散することを目論んだ師範の方向性との乖離が目立つようになり、今日までは続いていない。

 

 本書の終盤でも空中浮遊している成瀬雅春さんの写真が掲載されているのであるが、成瀬さんが本当に空中浮遊できたのかどうか、それは分からない。しかし、本書で両氏が語る内容、その身体論については深く同意できる部分が多々あったのは事実である。

 

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