Cat Café in Lviv (ウクライナ)


 ロシアとの紛争が泥沼化しているウクライナへの印象は、近年「危険な国」となってきている。しかし、実際に「紛争で危険」なのはロシアと国境を接する「東側の地域」だけだ。そう、実は首都キエフから西側の地域は紛争前とそう変わらない平和な状況なのである。日本でも東北の大地震の際に核施設が被害を受け、危険な状況が続いているが、「局所的に危険なだけ」で、「日本全土が直接的に危険なわけではない」のと同じである。

 

 また、ウクライナには1986年の原子力発電所の爆発で世界に名を知られることになった「チェルノブイル」があり、この点も日本と相似している。チェルノブイルの原発の爆発で吹き飛んだ部分は、コンクリートの厚い壁で覆われており、近隣数十キロは「永久退避地域」にしていされ、許可を得無いと近寄ることはできない。

 

 さらに時を遡ること1945年の8月、日本の広島と長崎にはアメリカがご丁寧にも2発もの原子爆弾を投下し、その性能を一般人民の命を持って身体実験をした。チェルノブイルの原子力発電所の爆発では広島・長崎の100倍もの量の有害物質が拡散したということであり、原子力の直接的な被害にあった者のつながりで、日本からはウクライナに一億二千万ドル以上もの無償支援がされている。

 

 そんなウクライナの西側にある街Lviv(ルヴィブ)では、大学がいくつか点在しており、若く輝く学生が闊歩しており、街の中心にある旧市街が世界遺産に指定されている美しい街である。2015年初頭、Lvivの街に猫好きにはたまらないCat Caféがオープンした。店内はウクライナ中でも最も「平和指数が高いのではないか」という雰囲気だ。    



 

 地上の入り口に面した一階と地下一階の構造の店内には、オープン時に購入されてきた子猫たちが10匹ばかり飼育されている。

 

 客層は家族ずれが最も多く、ついで猫好きの若い女性たちやカップルという順だ。家族ずれの中でも子供達は思い切り猫に喜び、店内に用意された猫じゃらしや輪ゴム、ネズミの模型で猫の気を引こうと躍起になっている。


 

 

 遊び盛りの猫たちでも、次々にやってくる人間の子供たちの相手をするのには疲れるので、「人間が触ることのできないエリア」に避難して休めるように店内は設計されている。



 また、「12才以下の子供達は猫を抱いてはいけない」というハウス・ルールも存在するようだ。子供達は加減がわからずに嬉しさのあまり猫を強く抱きしめてしまったり、尻尾を引っ張ってしまったりするからだろう。また、猫からも力加減がわからず、子供を傷つけてしまうことから守るという意図もあろう。



 

 元来、Lvivの旧市街にはカフェが多くあり、そのクオリティの高いことで名を馳せている。しかし、近年は過当競争に入ったのか「単なるカフェ」では客を引き寄せることが難しくなり始めているようだ。

 

 日本や諸外国では一足先に「猫のいるカフェ」は存在していたが、ウクライナのLvivではここが初めてだ。「猫がいる」という付加価値の分、価格は街の中心部のカフェと同等とやや高めである。それでもウクライナの物価はロシアとの紛争による通貨安もあり低いので、アメリカン・コーヒーが一杯120円、カフェ・ラテでも180円程度という具合だ。

 

 

 

 逆に、旧市街の一等地にあるカフェでは、「コーヒーやスイーツの味が落ちても観光客が来るので、値段を高く設定していても問題無い」と地元民に陰で言われているような、殿様商売の店も出始めている。これはどこの国でも起こりうることなのだろうか。

 

 ウクライナ東部は、ロシアと紛争状態であり、現地メディアのニュースといえばロシアとの戦いのことばかりである。これはで通常の神経の人ならやりきれなくなり、猫の手も借りてでも、「癒されたい」という需要は高まっている。

 

 カンボジア並みに酷いウクライナの悪路に疲れ、一部のウクライナ人の悪癖にがっかりさせられた後には、旅人の身分でも猫に癒されにCat Caféに足を運んでも良いだろう。ウクライナ語やロシア語が話せなくとも問題無い。相手は猫なのだから。



- Advertisement - 広告