本当は怖い、ジョン・レノンの『イマジン』

 

 元ビートルズで死ぬまで(殺されるまで)世界的なスターであったジョン・レノン。再婚相手が日本人アーティストのオノ・ヨーコであったことからも、日本では抜群に知名度が高い。いや日本のみならず、とてつもない有名人ではあるが。

 

 さて、彼の作詞作曲した楽曲には、いくつも名作があるが、日本において曲解されているような気がするのが、『イマジン』である。よく「平和への祈りの歌」などと言われることがあるが、ちゃんと歌詞を一つ一つ考えていくと、あれは本当は「とても怖い歌」なのではないかと思う。

 

 何が怖いのか?

 「世間では言ってはいけない、本当のことを言っている」のが怖いのだ。

 

 それでは、イマジンの歌詞を見ていこう。

 

 

Imagine there's no heaven
It's easy if you try
No hell below us
Above us only sky
Imagine all the people living for today

 

想像してごらん、天国なんてないのだと

やってみれば簡単なことさ

ぼくらの足元には地獄だってない

ぼくらの上には空だけがある

想像してごらん、全ての人々が今日を生きているところを

 

 

 まず、最初のパラグラフでは「宗教の教えを否定」している。天国などない、地獄などない。そう、「本当のこと」を言ってしまっているのだ。

 

 

続いて第二節、

 

Imagine there's no countries
It isn't hard to do
Nothing to kill or die for
And no religion too
Imagine all the people living life in peace,

 

想像してごらん、国家などないのだと

そう難しいことではないよ

国のために殺したり死んだりする価値などないのだ

そして宗教などないのだと

想像してごらん、全ての人々が平和に生きているところを

 

 

 ここでは「国家」と「宗教」を否定している。そんなものは存在しないという「本当のこと」を言ってのけている。「国家や宗教で食っている人々にとっては、非常に不都合な真実」を歌ってしまっているのだ。

 

 

 

そして第3節、

 

You may say I'm a dreamer
But I'm not the only one
I hope some day you'll join us
And the world will be as one

 

君はぼくを夢見がちだと言うかもしれない、

でもぼくは一人じゃないんだよ

そして君がぼくらの仲間にいつかなることを願ってる

そうして世界は一つになっていくんだ

 

 

 世の中は幾つもの「物語」が複合的にシステムを構成し、それが「あるもの」として人間社会では機能している。国家を否定し、「自分が日本人などではなく地球人だ」と主張しても、日本のパスポートを所持しなければ、諸外国に行くことすら叶わない。つまり、まずは「国家の一員である」ということを間接的に認めないと、生きづらいのがこの世の中なのである。

 

 それでも、「国家や宗教」などの物語に飲み込まれて生きる方が楽ではある。思考停止している人々はそうして暮らすのが楽であり、またそれが分かっている人々でも、ひとまずはトラブルを避けるために、それを信じている振りをしている。

 

そして第4節、

 

Imagine no possessions
I wonder if you can
No need for greed or hunger
A brotherhood of man
Imagine all the people sharing all the world, you

 

想像してごらん、所有などないのだと

君はそうできるかな

強欲になったり飢えたりする必要はないんだ

人類はみな兄弟なのだから

想像してごらん、全人類で地球で共生していると

 

 

 

 

 ここでは「所有」を否定している。所有の一番大きなものは、国家の領土であろう。「ここからここまでは俺の国!」と決めつけ、自然界には存在しない国境をひき、それを守りたがる愚かな人間。

 財産という考えに縛られ、働いて得たものでなくとも国王の末裔というだけで富める者や、カーストの最下層というだけで貧しい人々。そんな不平等な物語で成り立っている社会システムを否定している。

 本来、なかよく地球上の資源を別けあっていければ良いのだと歌っている。

 

 

 

そして最後にこのフレーズのリフレイン、

 

You may say I'm a dreamer
But I'm not the only one
I hope some day you'll join us
And the world will be as one

  

 

 

 

 ジョン・レノンのイマジン、本当は怖い曲である。なぜなら、「それを言っては社会システムの管理者のポジションにいる者に忌み嫌われ、殺されることがあるのがこの社会だから」である。

 

 言論の自由のある国でもこうしたことをいうのは大変なのだが、北朝鮮などでこんなことを言おうものなら、すぐに捕まって家族もろとも殺されてしまうであろう。個人的には付き合いづらい人だったかも知れないジョン・レノンは、それでも歴史に名を残す偉大なアーティストであったのだ。

 

 

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ジョンはすごい

 

 

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