世界遺産のあるベトナムのフエにて、アオザイ撮影

  




 世界文化遺産に登録されているベトナムはフエの王宮で知り合った、 ハノイから来た30代の女子3人組に連れられ、フエで有名な生春巻き等の料理をご馳走になった。

 

 

 通常、東南アジアの女性は日本から来た男性に「ご馳走になることを当然」と考える節があるが、この3人は逆に一人旅の日本人である自分にご馳走してくれただけでなく、タクシー代なども払ってくれ、お土産にベトナムの「あの三角帽子」までくれるというビジネス・ウーマンたちであった。

 

茹でたトウモロコシまでご馳走になる
茹でたトウモロコシまでご馳走になる

 

 食後、王宮の南に流れるフォン川に沿ってタクシーを走らせ、パゴダを参観し、その後彼女たちが前日までにオーダーしておいたというアオザイを取りに行った。

 

アオザイの専門店には、色とりどりの素材のアオザイが並ぶ。サイズを測ってオーダー・メードにしても翌日には仕上がっている。
アオザイの専門店には、色とりどりの素材のアオザイが並ぶ。サイズを測ってオーダー・メードにしても翌日には仕上がっている。

 

 いうまでもなく、アオザイはベトナム女性の民族衣装として有名な着物であるが、日々の生活ではアオザイを着て過ごす女性の方が少ない。これは、日本女性が着物をほとんど日常生活において着なくなったのと同じである。ベトナムの学校では週に一度、アオザイを着て通学する日があったり、アオザイを業務の制服として着用する仕事などがある程度で、異国からの旅人の心をくすぐるアオザイを「普段着」として着る女性には、滅多におめにかかれなくなっている。(ベトナム語表記だと、「Ao Dai」と書く。DはZに近い音で発音するので「アオザイ」)

 

 

 三人のうちの一人、ベトナム語で「花」を意味する名前の花ちゃんは、アメリカのアイビー・リーグの大学院を卒業後、国際的な金融機関のハノイ・オフィスに勤務する才女であるが、彼女がアオザイをしてこう表していた。

 

 「アオザイはね、全てを隠していながら、何も隠していないのよ」

 

 言い得て妙である。通常アオザイは下に履くズボン状のものと、上着は 腰から足元にかけて大きなスリットの入った七部丈の袖のついたワンピースがセットになっていることが多いが、上下を合わせて着用すると、肌の露出はほとんどなくなる。

 

 しかし、ジャスト・サイズのアオザイをオーダー・メードでしつらえて着ると、肌は隠しながらも、「その女性の体型が全て現れてしまう」という面も併せ持つ。

 

 「全てを隠していながら、何も隠していない」

 

 なるほど、そういうことなのだ。

 

 新調したアオザイを抱えて、彼女たちが泊まっていたフエの最高級ホテルに戻り、急いで着替えを済ませた彼女たちは、王宮の前にかかる鉄橋の前に戻り、半時ばかり写真を撮ってから急いでタクシーを捕まえてフエを立ち去った。夜のフライトで、彼女たちはハノイに戻ることになっていたのだ。

 

 ベトナムのフエという街は、アオザイを着たベトナム女性のよく似合う街である。またノスタルジーに駆られ、フエを再訪する日も近いだろう。

 

 

 

アオザイ、お好き?