『ピクセルズ PIXELS』

 

 2015年は任天堂の社長が逝去するなど、日本のゲーム業界にとって悲しく残念なニュースがあった。かつては日本のテレビ・ゲーム器とそのソフトは世界を席巻していた。

 

 今日、ハード器のゲームではMicrosoftXboxが人気であり、任天堂もソニーも大きくは成功していない。

 

 スマホ上のゲームがより多くのユーザーに受け入れられている。まずは無料でダウンロードしてもらって、あとから課金オプションや広告などで儲けるというビジネス・モデルが主流となっているのだ。スマホ上の世界的なヒットといえば、フィンランド発のアングリー・バードやアメリカのプランツvsゾンビーなどは特に有名だろう。日本で流行った(まだ流行っている?)パズドラは割と局地的であり、世界的には知らない人の方が多いようだ。    

PG-13  |  106 min  |  Action, Comedy, Sci-Fi  |  24 July 2015 (USA)
PG-13 | 106 min | Action, Comedy, Sci-Fi | 24 July 2015 (USA)

 さて、今回の映画評は「ピクセルズ PIXELS」である。監督はヒット・メーカーのクリス・コロンバス、アダム・サンドラー主演のアメリカ映画。

 

 欧米系の映画を観に行く際に、自分がまず参考にするのは以下の2サイトなのであるが、どちらかというと辛口の評価の多いロットゥン・トマトの方をより参考としている。IMDBはより「優等生的な評価」が多く、実際に観に行った際の感想としては、トマトの方に自分は近いことが多い。もちろん、これには個人差がある。

腐ったトマトこと、「ロットゥン・トマト」での評価はこちら

http://www.rottentomatoes.com/m/pixels/

 

「IMDB」での評価はこちら

http://www.imdb.com/title/tt2120120/?ref_=ttmd_md_nm

 

 今回のピクセルズであるが、トマトでの評価が異常に低かった。しかし、自分は観終わって笑顔で劇場をあとにしていた。心の中でだが。

 

 というのも、映画ののっけから、サウンド・トラックで不覚にも「やられた!」という選曲であったのである。それは、チープ・トリックのサレンダーであった。


 

 チープ・トリックを知らない人のためにざっくり説明すると、アメリカはシカゴ出身のロック・バンドで、活動歴はすでに40年という大ベテランである。彼らの精力的なライブ活動はつとに有名で、かつては年間200本以上のライブをこなすというライブ・バンドである。

 

  本国アメリカでのブレイクの前に、日本にて人気に火がついた。初めての来日公演ではいきなり武道館で公演。その様子を録音したアルバム、「at Budokan」には日本のファンの「黄色い声援」がこれでもかというほど吹き込まれており、海外の音楽シーンにおいて武道館の名前を一躍有名にした。ガンズ・アンド・ローゼスのアクセルがこのアルバムに影響を受けたと明言し、多くのバンドが「彼らのようになりたい」と憧れたバンドでもある。

 

 

 オリジナルのメンバーは、甘いフェイスのロビン・ザンダー(v)、おちゃらけたキャラだが、実はロビンよりも歌がうまいという疑惑(?)のあるリック・ニールセン(g)、リックと高校の同級生で途中で数年バンドを抜けていたが出戻った後でもしらっとしているトム・ピータソン(b)、そして現在は病気のためにツアーからは離れており、若い頃から万年課長のような風貌のバーニー・カルロス(d)の四人。現在は病気のバーニーの代役としてリックの息子がドラマーとしてツアーを廻っている。

 

 バーニーがツアーで周っていた頃のライブには、自分も何度か観に行っており、リックが投げまくるピックを一枚、宝物としてまだ保管している。

(リック・ニールセンの「ライブの度に毎回100枚以上のピックを投げまくる」という芸風は相変わらずのようで、これまでに数十万枚のピックを投げてきたことだろう。ヘビメタの「ギターを壊す」という自己満足な芸風よりずっとよい。リックはギターのコレクターとしても有名で、3000本ものギターを所有していたとのこと。)

 

 あ、話がすっかりチープ・トリックに逸れた。閑話休題。

 

 

 

 で、そのチープ・トリックの往年のヒット・ソングである「サレンダー」をこの映画の音楽担当者はぶつけてきたのである。「よくファミコン世代の日本人の好きそうな音楽を分かっているね!」、とフェースブックだったら速攻で「イイね!」を押しそうになるほどの選曲だ。

 

 肝心の映画はネタバレになりそうだが、主にファミコンやアーケード・ゲーム黎明期に流行ったパックマン、ギャラクシー、ドンキー・コングなど現在30代後半以上の世代には「懐かしい!」という日本が世界を席巻したゲームの世界が続々と「地球を攻めてくる」のである。コミカルに。

 

 そのゲームの世界の侵略者たちから地球を救うのが、アダム・サンドラー扮する主人公と愉快な仲間たちという設定である。ファミリー向けの映画としては良い作りだと思うのだが、各ゲームをリアル・タイムで楽しんでいないとその面白さが全くわからないという致命的な欠陥も併せ持つので、トマトでの評価は低かったのかもしれない。

 

 初期のファミコンでゲームを楽しんだ世代は、「懐かしいな」とおもわず顔がほころぶ内容だと思うのだが、子供と一緒に観るのも良いかもしれない。子供より親の方が楽しめるような映画であるけれど。

 

 

 

 以下、私の5つの映画評価軸で5段階で採点すると、

 

PIXELS

 

Performance: 3

Visual: 5

Story: 4

Sound & Music: 5

Originality: 4

 

合計:25点満点で21点!

 

 

 やや甘めの評価にも思えるが、音楽でいきなり「やられてしまった」ので、これは仕方ないでしょう。(あまり参考にならずにすみません)

 

映画のサントラはこちら。ちょっと高い。

 

ピクセルズ、良かった