映画『ダム・キーパー The Dam Keeper』

 

 『スケッチ・トラベル』について書いたが、そのプロデューサーの一人である堤大介さんとロバート近藤さんの共同監督による作品を観た。

18 min  |  Animation, Short, Drama  |  11 October 2014 (USA)
18 min | Animation, Short, Drama | 11 October 2014 (USA)

 本作The Dam Keeperは、18分間の短編アニメーション映画である。iTunes上で300円でダウンロード販売されている。ピクサー時代から光の当たり方などのアート・ディレクターをしていた堤さんの作品らしく、「光と影」の描写が美しい。

 今の所、iTunes上では英語版のみリリースされている。とはいえ、英語のナレーションが物語の冒頭と終わりに少しあるだけなので、途中の内容は会話がなく進行する。フランスのアニメーション映画の「イルージョニスト」のように、「アニメーションで物語や会話の内容を語る」という手法をとっている。

 

https://itunes.apple.com/jp/movie/the-dam-keeper/id962374424

 まるで「絵本を読んでいるような感覚の画風」の世界が、アニメーションで動きを与えられているのだが、予算の都合かある程度の動きの粗さはある。しかし、その粗さがより味を出しているようにも思える。

 

 また、この作品は18分という短めなのも良い。子供が集中力を持続して映画を観られるのは、このぐらいの尺なのではないだろうか。70分、80分、作品によっては2時間を超えるアニメーション映画というのは、もうその長さで、すでに子供向きではなくなっているのかも知れない。

 

 さて、この映画の制作体制で面白いのが、監督が二人クレジットされているという所だ。通常、監督は一人で助監督などがいるという場合はあるが、監督として堤大介さんとロバート近藤さんが並列で表記されている。プロデューサーが複数人いる場合はよくあるが、監督が二人並列という例は少ないのではないだろうか。こうした体制は上手くいく場合はシナジーが生まれるだろうけれど、お互いの意見がぶつかるだけで生産的なものが生まれないという場合も起こりうる。特に「アーティスト」と呼ばれる種類の人たちには、妙な所で頑固な人も多い。

 

 

 

<ネタバレ注意:ご覧になっていない方は自己責任で>

 

 物語は主人公の「子豚」が、なぜか父の世代から街に邪悪な灰のようなものが入ってくるのを防ぐ「ダムの風車守り」をしているという設定なのだが、ダムに設置された風車がゼンマイ式のような形態で、一定の時間が来るとそれを手動で(体全体を使って)巻き直さないといけない、という任務に従事している。子豚だが。

 ダムはその灰を一定期間堰きとめるという機能は持つが、灰がダムの容量を超えてしまう前に、「ゼンマイ式の風車の風で、あふれそうになる灰を日々、吹き飛ばさないといけない」というかなりギリギリな世界のお話。

 

 物語はその前提条件があり、さらにこれだけ大事な任務を抱える子豚が、任務の合間に学校に通い、さらに学校では虐められっ子の部類に属するという境遇で、そこに転校生の「狐くん」がやってきて一波乱あるという筋書きだ。

 

  以下、私の5つの映画評価軸で5段階で採点すると、

 

 

 

 

 

The Dam Keeper

 

Performance: 4

Visual: 5

Story: 4

Sound & Music: 3

Originality: 5

 

合計:25点満点で21点!堤さんの次回作にも期待!

 

 

 

ダム・キーパーは300円でダウンロード可能