ウクライナでのロシアのプーチン大統領の評判

 

 依然として、ロシアでのプーチン大統領の評判は上々であるが、お隣ウクライナでの評判は、ロシア支持の住民は別として、大方のウクライナ人からは「ヒットラーの再来」「ロシアの悪魔」「心無い極悪人」と最悪である。

 

こうして見ると、確かに似ていなくもない。
こうして見ると、確かに似ていなくもない。

 ロシア、ウクライナを第三者の目で見比べてみると、なるべく公平に見ようとしても「やはり、どっちもどっち」と言わざるを得ない。お互いにマス・メディアの情報は偏屈なナショナリズムに傾斜しており、どちらの国の政治家たちも紛争を利用することしか考えていないように見え、「ロシアにつくか、ウクライナにつくか」という生易しい問題ではない。「どちらも碌でもないので、少し距離をとって静観する」というのが賢明な選択でありそうだ。

 

 クリミア半島がロシアに併合されてから、二国の関係性はより引くに引けない状況となっている。どちらの国民に聞いても、「事態をどう収束させれば良いのか分からない」という。

 ロシアが本気を出して武力で乗り出せば、ウクライナは全く歯が立たないであろう。だがそんなことをすれば、国際世論が黙ってはおらず、ロシアが更なる苦境に立たされることになる。

 また、ロシアにとっても、年金・医療保険などの制度がボロボロのウクライナの住民をこれ以上自国に抱えこみたくないという思いもあるようで、本心を言えば、「もうこれ以上はウクライナなど欲しくない」というところなのであろう。しかし、一旦始めてしまった「ウクライナの平定」の建前もあるので、「抜いた刀を収める鞘を無くしてしまった」という状況のようだ。

 

 ロシア族のウクライナ人の一部を別にして、多くのウクライナ人はロシアのプーチン大統領のことを「邪悪な心を持った、悪の化身」だと考えている。今日のウクライナでは、生活上、何か悪いことがあれば、「ロシアのせいだ」と冗談ともつかぬことが平気で口を出るほど、「忌み嫌う対象としてのロシア」が定着しつつある。

ロシア連邦に戻りたくないとデモをするウクライナ女性の写真
ロシア連邦に戻りたくないとデモをするウクライナ女性の写真

 また、ロシアでは、英雄的な姿のTシャツやマグカップが売られているプーチン大統領であるが、ウクライナでそんなものを着て外出すれば、ナショナリストにいきなり襲撃されかねない。ウクライナではトイレット・ペーパーにプーチン大統領が印刷されて面白グッズとして売られていたり、男子トイレの小便器の中に、プーチン大統領やメドベージェフ首相の顔が描かれていたり、という嫌われぶりである。

 

 そして、ナショナリズムにありがちな悪い流れとして、ロシアの一部の政治家を憎んでいたのが、次第に拡大されて、「ロシア人全体」となってしまう人がいる。「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」という心情だろう。

 

 

 逆に、ロシアの人々からすると、ウクライナは「同じ民族だし、世話してやらないといけない、出来の悪い跳ねっ返りのウクライナ」という考えで、ウクライナを見ている人が多いようだ。


 事実、ロシアは日本には北方4島というロシアにとっては小さな島すら返還しないが、旧ロシア連邦からのウクライナの独立にあっては、ヨーロッパで二番目に広い国土をウクライナにあげてしまうなど、かなりの好待遇だったのである。また独立後も、オイルやガスを貧乏なウクライナには破格で提供している。

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