東南アジア諸国連合のゲイ事情1

 

 ブルネイ以外のASEAN諸国には訪れた事があり、現地の様子を肌で感じてきた経験からいうと、よく知られているように東南アジア諸国連合10ケ国の中でもゲイが多いのはタイ王国である。以下、ざっくりとゲイの勢力が強い国とそうでない国を分けてみた。(ちなみに、私はゲイではない。残念ながら。)

 

 

<世界的にゲイ・カルチャーを牽引する国>

タイ王国

 

<ゲイ先進国>

フィリピン、マレーシア、ラオス

 

<隠れゲイ国>

シンガポール、ベトナム、インドネシア、ミャンマー、カンボジア

おそらくブルネイもここ

 

 まず、トップを独走するのはタイ王国だ。タイ王国ではゲイに対する偏見が少なく、逆に「ゲイ」であるというと人気者になるなどのメリットがある。タイ人はゲイを「面白いやつら」だと認識しており、義務教育の学校のクラスに3人はゲイがいる、各オフィスやレストランに一人はゲイがいると言われる。

 

 タイ王国の最高学府の双璧と言われる王立チュラロンコーン大学と私学のタマサット大学がある。タイ王国の多くの大学には男女の区別のある制服があるのだが、タマサットは私服で通う事に寛容なので、女性の格好をしたいレディー・ボーイの嗜好のあるゲイには特に人気である。「女の子の格好をしたいから、タマサットになんとしても合格したい」という乙女心を持った男の子が受験に失敗し、枕を濡らすという悲劇(喜劇?)も耳にする。

 

 以前、タマサットに遊びに行った時に、大学の制服を着た女子学生が歩いていたのだが、「タマサットでも制服を着る学生がいるのだね」と友人に聞いてみると、「あれはクラトゥーイ(おかま)だよ」と返された。王立チュラロンコーン大学はかつての国王の名を冠する厳格な王立大学なので、男子学生がレディー・ボーイ化することは難しいが、タマサットでは男子学生が女子学生に変身していようとも、お咎めなしなのだ。ややこしい。

 

 タマサット大学の英文学部出身の友人には、同級生が100人ほどいたというが、そのうち90人は女子学生、残りの10人が男子学生であった。しかし、入学時に10人中4人はすでにゲイであり、3年生に進むまでにそのうちの9人がゲイになっており、残りの一人もいつまでその牙城を守れるかと見られていた。おそるべし、タイ王国のゲイ感染力。

 

 また、友人の同級生には、若くして性転換手術を受けている「変わり身の早いゲイ」もいて、男性から女性に性転換を受けていることを米国人の恋人に秘密にしたまま、4年間付き合っていたというレディー・ボーイ同級生もいた。

 

 レディー・ボーイには、「あれがついている」のと「ついていない」のとがおり、「ついていない」のになると識別はより困難となるが、4年間付き合っていた恋人が「元々は男性だった」と知った米国人の驚きは、大変なものであっただろう。映画「クライング・ゲーム」を想起させる話だ。その後、二人は別れ、また復縁したそうだ。タイ王国において愛に国境はない。性別の垣根も限りなく低い。

 

 

 

 

 

え?まだゲイじゃないの?