深淵なレディー・ボーイの世界〜東南アジア諸国連合のゲイ事情2

 外見上、男性から女性に変身した人々を「レディー・ボーイ(LB)」と呼ぶ。インドネシアでは「シーメール」という呼称も多く用いられるが、ここではタイ王国を基準に語ろう。逆に、女性から男性に変身した人を「トム・ボーイ(TB)」と呼ぶが、TBの場合の変身にはLB以上に限りがあるようだ。というのも、LBは男性器を取り除き、女性器に似たような穴を作ることは可能であるが、女性に男性器を取り付ける手術は困難を極めるからだ。

 

タイ王国で最も有名なLBの一人、POYちゃん
タイ王国で最も有名なLBの一人、POYちゃん

 

 しかし、どちらの場合も「外見上」の域を出ることはなく、LBに子宮を取り付けて子供を産めるようにすることや、TBが男性の機能を持つことは今日の医療技術では難しい。

 

 さて、その「外見上」の変身であるが、タイ王国のLBASEANの中で、いや世界広しといっても彼ら(彼女ら)の「美の探究」の域に追いついている国はないだろう。美しい女性になるための投資には金を惜しまず、また日々の女性化のための努力にも凄まじいものがある。

 

 同じくASEANで二番目にLBが多いフィリピンでは、まだ「妖怪」や「怪獣」の域を出ていないのがほとんどだ。それほどタイ王国のLBの到達している域は高い。(明らかな怪獣も多くいるが)

 

 パッポン通りにあるLBのゴーゴー・バーに何人かの友人たちと遊びに行った時のこと、一人のとびきり綺麗なLBと知り合った。彼女はすでに下の処理も終えており、ビキニ姿の容姿は、ほぼ完璧なプロポーションを保持していた。胸は柔らかく、連れ立って行った女性の友人が触ってみても「本物っぽい」とのことであった。

 

 「どうしてそんなに自然になるの?」と聞いてみると、「シリコンを入れたっての頃は少し固いのだけど、毎日マッサージして、少しずつ柔らかくしていくの」とのこと。「痛くはない?」「もちろん、最初は痛いわよ」

 

 顔にも整形が施されているというが、優れた美容整形のために、わざわざ韓国まで飛んでいくという。バンコクには特にLBが多いが、タイ人の友人に言わせると、「完璧な女性には注意した方が良いよ。本物の女性はどこかに欠点があるけど、LBは完璧なことが多いから」との助言。確かに身体だけでなく、そのファッション・センスや細やかな気遣いなど、どこをとっても「男性の理想の女性」となるべく努力しているのがよく分かる。

 

 タイ王国ではミス・コンテンストも注目を浴びるが、それにもましてLBの最高峰のコンテンストである「ミス・ティファニー」は、大変な人気である。なぜなら、過去のコンテストでは「女性よりも綺麗なLBが多数選出されている」からだ。コンテストを経て、その後、テレビや映画などの芸能活動をしているLBも多くいるが、タイ王国のみならず香港や中国にまで進出している者もいる。

 

POYちゃんはすでにセレブ。完璧な女性には気をつけよう。LBかもしれない。
POYちゃんはすでにセレブ。完璧な女性には気をつけよう。LBかもしれない。

 

 さて、ゲイの世界は深淵であり、「新宿二丁目に捨てるゲイはない」と言われるほど、「毛深いのが好き」「太ったのが好き」「ハゲが好き」「臭いのが好き」など、多種多様の嗜好を持った人がいるようだ。タイ王国においてもそれは同じで、外見上はLBとして美しさを誇示しているが、じつはまだ「あれがついている」というのも多い。そして、マニアのゲイ男性には、「女性のような美しさを持つけれど、あれがあるのがよい」という嗜好の人々もいるので、話がより複雑になってくる。

 

 また、お金のためにLBになってバーなどで働いている男娼もいるというが、他にも色々と手段はある中でLBになるのは、やはりその素地がどこかにあったのであろう。

 

 どんな性的嗜好の人でも受け止めるバンコクでは、LBTBのカップルもいると聞く。どちらも努力して男性から女性に、女性から男性になった二人であるが、夜の営みは逆になるのだろうか。興味は尽きない。

 

 興味のある人は、「Thailand Lady Boy」などのキー・ワードで画像検索してみると良いだろう。美し過ぎるLBから多くのそうでもないのまで、色々と出てくるはずだ。(色々と見た後の悪寒の対応は自己責任で)

 

 

POYちゃん可愛い