ゲイが栄え過ぎると問題に?〜東南アジア諸国連合のゲイ事情3

 

 タイ王国のゲイの人々は、世界のゲイの人々と同様に、ノン気の人々よりも仕事上で有能な人が多いようで、バンコクのシーロム辺りの外資系企業には、よくゲイの優秀な人材が働いている。世界的に有名なビジネス・パーソンのゲイといえば、アップル社のCEOを務めるジム・クックだろう。彼がゲイであることをカミング・アウトした時には、その筋の人々には「やっぱりな」という感であり、その他多くの人々には衝撃を与えた。

ゲイの人々には福音となったティム・クック
ゲイの人々には福音となったティム・クック

 

 タイ王国には元々ゲイ・フレンドリーな土壌がある上に、世界中のゲイの人々が「自分らしく生きるための新天地」としてやってくるので、人口に占めるゲイの比率が上がってきているように感じられる。私の友人にも、アメリカのシカゴでタイ人のボーイ・フレンドと出逢い、彼がタイに帰るので離れるのが辛く、バンコクまでやってきて一緒に暮らしている、というアメリカ人デザイナーのゲイがいる。彼は身長190センチだが、彼氏の方のタイ人は165センチほど。どうやら背の高い方が「彼女役」らしいから粋である。

 

 しかし、有能なゲイの人々が増えすぎると、今度は逆に困った問題が立ち上がる。国の少子高齢化だ。

 

 ゲイ同士には、もちろん子供を作る機能はないので、生粋のゲイ達には「子孫を増やす」という意味での繁殖力はない。(周りをゲイに引き込むゲイ・コミュニティの繁殖力はあるかもしれないが) となると、やはり経済的に富める人々が多くなると、学歴も高くなり、晩婚化が進み、女性の社会進出も進む。そして、各家庭の子供の数も少なくなるのだが、ゲイのカップルが増えるとそこには子供が生まれない。これはレズビアンのカップルでも同じだ。ホモ・セクシャルでは子供はできない。

 

 アメリカのカリフォルニア州にある、カストロ・ストリートという通りに行ったことがある。ここは世界中のゲイやレズビアンたちが集まり、この地域に暮らす人々の3割がホモ・セクシャル等という地域だ。ゲイの人々にインタビューをするというプログラムがあり、それに参加したのだが、ゲイ同士の白人カップルがアフリカ系アメリカ人の女の子を養子として引き取って育てているケースを目にして、日本よりもジェンダーの多様性に関して、ずっと進んでいると感じた。(両親とも男性、あるいは両親とも女性のカップルに引き取られた子供達への影響も心配ではあるが)

 

 さて、日本はタイ王国やアメリカほど目立ってホモ・セクシャルの人々の多い国ではないが、すでに世界の中でも抜きん出て少子高齢化が進み、現在の日本の平均年齢は46.5歳になっている。日本は経済が絶好調の時に移民の受け入れに躊躇してしまった結果、すでに移民が行きたい国ではなくなってきており、いまだに移民の受け入れに二の足を踏んでいるその様は、「婚期を逃したがプライドだけ高い売れ残りの独り者」のような状況だ。


 実は、タイ王国の平均年齢もすでに36.7ASEANの中では比較的高く、移民を受け入れてもその移民がホモ・セクシャルだと子供を作らないので、当事者一人分しか人口が増えないし、ある程度の年齢の移民のホモ・セクシャルが一人増えても、少子高齢化対策とならないのだ。

 

 タイ王国ではその分、ヘテロ・セクシャル(異性愛者)の人々が子作りに勤しんで、人口維持と平均年齢を押し下げるほどに貢献できれば良いのだが、フィリピンのように無計画に子供ばかり作っても問題だ。アメリカ式のようにホモ・セクシャルのカップルが養子として子供を引き取ることも考えられるが、タイ王国では、制度的にまだホモ・セクシャルの結婚は認められていない。

 

 

 

ゲイで滅びた国はまだないか。