ハード&展示品は一流、運営は三流のエルミタージュ美術館

 

 ロシアのサンクトペテルブルクにあるエルミタージュ美術館は、世界四大ミュージアムに数えられるなど、その名を世界に馳せている。実際に足を運んでみると、かつてのロシア帝国がどれだけ強大であり、世界中の宝を集めていたかが感じられる場所だ。

 

 まず、美術館の建物からして荘厳を極める。かつてのロシア貴族の生活の華美が、世界的に見ても稀なほどに壮麗を極めていたことが伺える。広い館内には、所狭しと古今東西のコレクションが並べられており、じっくりと一つ一つの展示品の来歴を考えながら見て回ったら、とても1日では見尽くせない。

 また、所蔵のコレクションは実際に展示されているものよりもはるかに多いのであろうから、その底の深遠さには息を飲まざるを得ない。

 

 しかし、美術館の運営は、良くも悪くも「ロシアの官僚的」である。チケット・ブースは行列ができても対応が鈍く、美術館の外まで長く行列が続く。また、館内のリーフレット案内は、ロシア語と中国語のみしか残っていないことも多い。日本語は言わずもがな、本来あるはずの英語での案内すら残っていないのは、昨今、ロシアとの関係性が冷え込んでいる日本や英語圏の国々への当て付けにすら思えるほどだ。

 

 また、広い館内には、腰掛けて休む場所も他の世界的な美術館と比べると圧倒的に少ない。「チケット代は払ったんだろ?なら、とっとと観て早く帰れ」という意思が伺われる。

 さらに、華美な建物と展示品とは裏腹に、申し訳程度のスナックや飲み物が食べられる程度のカフェがあるのみで、まともな料理を口にできるレストランがない。

 

 お隣の中国大陸を表す言葉として、「ハード一流、ソフト三流」という言葉がある。建物や設備は世界の技術をそのまま導入したので一流になったが、マネジメントやサービスはいまだに三流という意味だ。

 私はロシアのエルミタージュ美術館を表す言葉として、「建物&展示品は一流、運営は三流」であると考える。

 

 さて、あなたのエルミタージュ美術館の感慨やいかに?

 

 

それでも、また行きたいエルミタージュ