ドン・ホイの町が退屈なのでフェイシャルに行ってみた

 

 ベトナムのドン・ホイにある気持ちの良いカフェについて書いた。

 

 さて、カフェ以外に何かドン・ホイにあるかといえば、旅人目線で「ここはすごいな」という場所はない。海はあるが、ベトナムには海辺の町は相当数あるので、特に珍しくもない。

 

 

 町歩きといっても、見所がないので、歩いているうちになんだか寂しい気分になってくる町だ。現地人との言葉の壁がなければ、もっと楽しいのだろうけれど。この田舎の省の省都には、外国語を使う人が少ないので、滞在を十分に楽しむには、共通語を持つベトナム人を見つけるか、自分がベトナム語を使えることが前提になる。

 

 そんな寂しい町を散策しているうちに、体は汗ばんでくる。東南アジアの町で日中歩き回るのは、ごくごく北部の町を別にして、東アジア人にはその暑さがこたえる。

 

 「どこかに休む場所がないかな」と思っていると、女性向けのエステのお店を見つけた。店内には若い姉妹のエステティシャン。自分が来店すると、まず「男」という時点で「え?」という顔をされ、そして「外人」という時点で「なんか妙な野良犬が迷い込んで来ちゃったよ」というような表情に変わる。それでもエステのコースを色々と聞いているうちに、男性でもフェイシャル・マッサージが受けられるということが分かった。

 

 

 料金は最も高いコラーゲンを使ったフェイシャル・マッサージが11VND、何だかよくわからないオイルを使ったものが8VND、緑茶の葉のクリームを使ったマッサージが5VND(約280円)であった。どれも効果が似たようなものではないかと思い、一番安いやつを試しにお願いしてみた。場末のエステであることだし、マッサージにはそう期待はできないだろうけれど、暑さを凌ぎ、顔をすっきりと洗い落とすには丁度良い、その程度に考えていた。

 

 

 ところが、23才の既婚のお姉さんが施術を始めるや否や、顔の上をさらりさらりと滑る指先のマジックにすっかり夢心地。「なんだなんだ、この気持ちの良さは」と驚いているうちに、スチームで毛穴を開き、さらにクリームを使った老廃物の排出マッサージでスムーズに事は進行していく。

 18才の細身の妹さんは横で機材の設営やクリームの受け渡しなどを手伝ってくれているのが分かる。姉妹がなにやらベトナム語で静かに談笑している声も耳に心地よい。

 

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 一時間のフェイシャル・マッサージが一通り終わる頃には、外気の暑さでやられていた疲れは見事に吹き飛んでいた。そして「初めての日本人の客」であったのか、「初めての男性客」であったのか分からないが、皆で記念撮影をする流れに。なかなかの美人姉妹だったので、こちらも写真を撮らせてもらい、「見所がないなんてとんでもない、海しかなくたっていいじゃないか、ドン・ホイ!」と、お調子者の旅人は、宿への道を少し綺麗になった顔を夕日に輝かせながら帰路につくのであった。

 

 

 

 

あんなに気持ちいいとは