犬猫がゆるく大切にされている町、ラオスのルアンパバーン

 

 ラオス北部の世界遺産の町ルアンパバーンは、とある指標にて欧米人の若者の間で、「最も訪れてみたいアジアの町」に選ばれたという。実際にルアンパバーンを訪れてみても、初めは「なんでここが?」という印象を持つのであるが、2−3日滞在するうちに、「確かに居心地がいいかも」という感慨になり、そのままずるずると1週間以上滞在する旅人が多いのだ。

 

 

 畢竟、ルアンパバーンの居心地が良いのは、「全体的にゆるいから」だと言えるかもしれない。長期滞在する旅人にとって、滞在費用が嵩む町は落ち着いていられないが、安宿だと5ドル程度でシングルの部屋にも泊まることができる。多くの場合、スタッフはラオス人だが、中国人経営の安宿が多い。

 

 ルアンパバーンの町には、他の有名観光地によくいる、ゲンナリするほどに執拗な物売りはおらず、声をかけてきても「要らないよ」と言えば直ぐに退いてくれる。夜市の多くの少数民族の物売りは、こちらから値段を聞かない限り、静かにそこに座っているだけだ。中には10才にもみたない、小さな可愛い物売りさんたちもいる。値段のかけひきがまだ下手で、すぐに値が下がってしまうゆるさ。

 

モン族のこの子は13才。翌日、学校のない日は叔母さんを手伝いに夜市に。
モン族のこの子は13才。翌日、学校のない日は叔母さんを手伝いに夜市に。

 

 食事は2ドルもあれば済ますことができ、メコン川沿いのリバーサイドのレストランでも、町中のレストランとそう物価が変わらない。宿泊費と合わせても、最低10ドルあれば一日が過ごせる。また、宿のスタッフや経営者と仲良くなると、無料で自転車やバイクに乗らせてくれたり、彼らの食事に招かれることもあるので、滞在費用の総計はみるみる減っていく。

 

 

 マッサージは過当競争からか、こちらも5ドルもあれば一時間のボディ・マッサージを受けることができる。学費を稼ぐために働いている若い女の子だと、マッサージがやたらと下手だったりするのがご愛嬌だが、その辺もゆるくてよい。マッサージが上手いのはレディー・ボーイたちなのだが、男性客だと往々に余計な場所までマッサージしてくるので、女性を選ぶのが無難である。

 

 

 町に300人だかいる僧たちは、境内に集まる犬や猫を家族のように可愛がっており、見知らぬ旅人が近づいてきても警戒心を表さない犬猫が多い。特に警戒心が強くなりがちな猫がリラックスしている町は、とても良い町に思える。

 

 

 寺院を訪れても、若い僧たちが隠れて携帯ゲームに勤しんでいる「ゆるさ」も心地よい。一つ一つの寺院が目立って「すごい」というほどでないのも、実にゆるいのだ。僧たちの読経の時間でも、旅人はふらりと境内に立ち寄ることができ、写真の撮影もフラッシュさえ焚かなければ、咎められることはない。

 

 毎朝の托鉢は、朝6時頃から始まるが、僧たちが鉢に入れて移動するのは、現金や袋菓子といった金目のものだけであり、餅米などは「貧しい人たちに与えるカゴ」に捨てるようにして去っていく。本来、持たざる戒律があるはずの仏教僧が、ここでは「貧しい人々ではない」のである。その辺の戒律のゆるさもまたよい。托鉢の神聖さがほとんど無いゆるさなのだ。

 

韓国から来た尼さんたちは、金目の物やUSドルをばら撒くので大人気
韓国から来た尼さんたちは、金目の物やUSドルをばら撒くので大人気

 

 町の中心部にある国立ミュージアムは、もともと王宮であった場所であるが、お隣のタイの王宮とは比べるべくもないほどに小さなものであり、内容もこれまたゆるい。館内は写真撮影禁止なのであるが、写真を撮られてしまうと中身が無いことがばれてしまうからではないか、と邪推してしまうほどだ。

 

 

 

またゆるみに行きたい、ルアンパバーン