タイ王国バンコク版の「光の祭典」は不評だったらしい

 

 日本でも年末行事として定着している「光の祭典」が、実はタイ王国の首都バンコクでも開催されていた。2016年1月31日までの期間限定で開催されたそれには、3900万バーツの経費がかけられていたという。現地を訪れたタイの人々は、写真を納めるのに熱心であったが、バンコキアン(バンコク人)の多くには不評であったという。

 

 

 会場はバンコク旧市街であるチャイナ・タウンにほど近い場所。かつて、祭りの度によく死人が出たという巨大な真っ赤なブランコ、ジャイアント・スィングのすぐ向かいであった。今日ではあの血塗られたジャイアント・スィングが、祭りの際に活躍することはないそうだ。

 

 

 バンコクの知事が資金を出して開催されたというが、バンコキアンには不評であったライティング。なぜなら、他に金の使い道はまだ山ほどあるだろうと。確かに。

 

 

 最終的には、どんなイベントもタイ王国の諸悪の根源である「ボトルネックのイメージ広告」になってしまうのが、タイ王国らしい。現生国王ラマ9世は、世界で最も「自身のブランディングに成功した君主」である。

 

 

 彼はその60年以上という在任中、国民の多くをブランディング広告によって魅きつけ洗脳し、一方で「王室に対する批判は厳しく罰する」というドラえもんのジャイアン的な法を厳格に施行した。タイ王国の緩やかな発展の陰で、タイ王族を世界で最も富める王族とすることに成功した。タイ王国の市民が世界で最も恵まれた人々ではないことが、彼の偽善者ぶりを物語っている。

 

 

 北朝鮮の三代目などは、タイ国王にブランディングの秘訣を弟子入りして教わるべきであっただろう。彼が生涯、あのポジションを全うできる可能性は相当に低い。中東の故フセイン大統領や故カダフィ大佐も、我が世の春を謳歌した後、最後は儚い夢として人生を終えた。

 

 

 ブランディングの天才である現生タイ国王の息子は、タイ市民に相当に不評なので、ラマ9世が他界した後は、常に不安定な政治機構に加え、王族の存続をかけた動乱が始まるのであろう。微笑みの国の笑わない国王は勝ち逃げできても、その後に残された王族達のブランディングの世話まではしていなかったのである。

 

 バンコクのライティングのイベントが、「タイ王国の光と闇」を象徴しているかのようで、不気味ですらあった。

 

批判じゃなく、心配なだけ