ベトナムで男性下着と言えば、ブリーフが市場占有率高し

 

 ベトナム旅行中、下着のローテーションが間に合わず、スーパーに下着を買いに行ったことがある。ベトナム現地でも展開する、タイ王国系の大手スーパーBig Cの下着売り場を覗いてみると、男性用下着コーナーには、ブリーフしか売られていなかった。

 同行してくれたベトナム人の女の子も、「男性の下着といえばブリーフだと思っていた」というほど、ベトナム男性は、ほぼみんなブリーフを穿いている。

バイクでレンガを運ぶ彼も、きっとブリーフだ。
バイクでレンガを運ぶ彼も、きっとブリーフだ。

 

 さて、慎みのない話で恐縮だが、自分は主にボクサー型のショート・トランクスを穿いていることが多いが、ブリーフ型の下着も何枚か所有はしている。個人的には、トランクス型の方が締め付けが緩く、穿いていることを忘れてしまうぐらいに楽なこともあるので、こちらを自然と選んでしまうというだけなのだけれど、気分によってはブリーフも穿くことがある。

この駅員もきっとブリーフだ。
この駅員もきっとブリーフだ。

 

 ベトナム男性がブリーフ型の下着をより多く穿く理由として、以下の要因が考えられる。

 

  1.  そもそも近所でブリーフしか売っていない
  2.  洗う際に、ブリーフの方が布面積が小さいので楽
  3.  ブリーフの方が乾くのが早い「気がする」
  4.  ブリーフの方が肌を覆う部分が少ないので、涼しい
  5.  ブリーフの方が小さく畳めるので、旅や移動にも便利
  6.  ブリーフの方が色気がある?

双子のお父さんも、きっとブリーフだ。
双子のお父さんも、きっとブリーフだ。

 

 やや昔話になるが、いまから20年ほど前に、大学の語学研修でアメリカのスタンフォード大学の寮で一夏過ごしたことがある。同じプログラムには、日本からは早稲田と慶應義塾の学生が参加し、台湾からは国立台湾大学の学生が来ていた。そして、ベトナムからは若手の官僚が10人ばかり参加していた。

 

 

 スタンフォード大学の夏休み時期には、普段寮生活しているスタンフォードの本科生が実家に帰っているので、寮がガラガラに空いている。その空いた寮やキャンパスを利用して、そこで語学・文化研修をし、施設を有効利用していたのである。ツイン・ルームの二人部屋には、基本的に異なる国籍の学生がルーム・メートとして入室することとなっていた。

 

 そんな中、ベトナムから来ていた若手官僚たちのリーダー格であったビエット(男)は、日本人のルーム・メートと共になった直後から、日本人学生の中ではちょっとした人気者となっていた。というのも、彼は洗ったブリーフをベッドの端に干すのであるが、そのブリーフが、どれもAV男優顔負けの随分と派手なブリーフであったからである。

 

 ピンクでフリルのついたようなブリーフや、生地が局部以外は隠せないやたらと小さいブリーフなど、ゲイの気があるわけでもないのに、ビエットのブリーフはやたらと刺激的なデザインであった。彼の部屋干しするブリーフ見学のために、その部屋を多くの日本人学生が訪れるといった具合であった。その夏、カリフォルニア州のパロアルトで、「ブリ見(けん)」という新しい単語が生まれたほどだ。

 

ハノイの街角で売られていた刺激的なブリーフ。右のマネキンはそれすら穿いてない、ダイレクト派だ。
ハノイの街角で売られていた刺激的なブリーフ。右のマネキンはそれすら穿いてない、ダイレクト派だ。

 

 日本でも、かつては「褌(ふんどし)」というのが一般的な下着であったという。今日では褌を穿いている人を探す方が難しい。その後、便利なブリーフやトランクス型の下着が市場に出回るようになり、いまでは褌はすっかり影を潜め、日本の男性下着市場ではショート・パンツ型がブリーフ型を追い抜いているように思える。

 

 ベトナムでも、経済発展と共に、いつかブリーフ型の男性下着は勢いを失い、ボクサー型の下着を穿いたベトナム人も増えるのであろう。下着にも、その栄枯盛衰を感じることができる。

 

ビエット元気かな