シンガポールの素敵な書店:BooksActually

 

 どこの街でも、居心地の良い本屋を見つけられると、それだけで生活の質が向上するように思える。

 

 都市国家シンガポールでは、国民所得の向上につれて、レストランや各種ショップの質も急速に向上している。お店の規模が小さくとも、いかに居心地の良い空間を作るかに、各店舗のオーナーたちは気を配っているのが感じられる。

 

 シンガポールのチョン・バール地区にあるロン・シアック通りは、(私にとって)奇跡的な通りだ。というのも、(私の)好きな書店が短い通りに2軒もあるからだ。どこの街でも、お気に入りの書店を見つけるのは難しい。だが、この短い通りには、続いて2軒も素敵な書店がある。

 

 その一つが、2005年にオープンしたBooksActually。書店は奥に向かって細長く伸びている。本や雑誌だけでなく、ヴィンテージの小物を扱う書店である。

 

 

 まず、本・雑誌のコーナーには、よくセレクトされた本が並ぶ。店主や店員が、いかに本・雑誌が好きかが伝わってくる良書揃いだ。店内にかかっている音楽も心地よい。

 

 また、この店には、猫好きにはたまらないトッピングがある。そう、書店の中に猫が飼われているのである。しかも三匹も。

 

 

  よく可愛がられているであろう毛並みの良い猫たちは、店内の好きな場所でそれぞれに寛いでいる。本や雑誌の上に乗っかっていても、咎める人はいない。むしろお店の大切なアクセントとしてそこにいる。

 

 

 三匹のうち、身体のやや小さめな白い猫だけが、なぜか他の2匹から警戒されていることがあった。どうやら白い猫は新参猫なのかもしれない。警戒して声を発する2匹とは対照的に、白い猫はほぼ動じずにぐっと睨みを利かせている。こういう猫の方が、実は芯が強く喧嘩も強いことが多い。

 

 書店を奥へと進むと、そこには各国のヴィンテージの小物が売られているのだが、古い海外の鉛筆、誰だかわからないアーティストのカセット・テープ、古いコカ・コーラ、安っぽい飛行機に鉛筆削りが付いたもの、コーヒー・ドリッパー、各種カップやソーサーといった具合に、とりとめのないヴィンテージ品がそこには並ぶ。一つ一つは「がらくた」に区分されるようなものでも、数があり「ヴィンテージ」という区分に定義すると、それは立派な商品になるという見本市がここにはある。

 

 

 さらに店の奥には、古本コーナーがあり、その奥には猫のトイレと書店のスタッフ・トイレとがある。たまに店内に異臭がするのは、猫のトイレのせいなのだが、それもこの店のアクセントの一つとなっている。

 

 シンガポールのセンスの良い書店BooksActuallyが、いつまでも猫たちと一緒に、ここにあることを願ってやまない。

 

また訪れたい、BooksActually