『山河故人』Mountains may depart

 

 中国大陸の映画で、久々に良い映画を観ることができた。

 

 これは、大陸人にとっても「ほとんど観る価値のない映画」「途中で投げ出したくなる映画」「時間と金を返して欲しくなる映画」、「ある意味、観ることが拷問にすら感じられる映画」「党のプロパガンダ臭がプンプンする映画」などが量産されている昨今の大陸の映画界において、特筆に値する。

山河故人(Mountains May Depart (2015)

2h 11min | Drama, Romance | 30 October 2015 (China)

 

Director: Zhangke Jia

Writer: Zhangke Jia (screenplay)

Stars: Tao Zhao, , 

 

 ペット・ショップ・ボーイズの懐かしい『Go West』が映画全編を通したテーマ音楽、というか主題歌のような役割を担っており、それが次第にじわじわとボディー・ブローのように効いてくる。

 

 映画の舞台は「過去・現在・近未来」と移り変わる。石炭の鉱山が多くある山西省の片田舎から物語は始まり、男二人・女一人の主人公で紡がれる物語は、いつしか近未来において主人公に中年の女一人、若者一人が加わる。言語も「山西語、マンダリン、上海語、英語」とくるくる変わる。

 

 

 製作陣のクレジットに「オフィス北野」とあるので、日本のスタッフも制作アドバイスや音楽、制作プロシージャーなどで深く関わっているようだ。「北野武」とはクレジットされていなかったので、彼は深くコミットしていないのかもしれないが。どうなのだろう。

 慣例の25点満点の数値評価をしておくと、

 

 『山河故人(Mountains may depart)』

 

Performance: 5

Visual: 5

Story: 4

Sound & Music: 4

Originality: 5

 

合計:25点満点で23点!

 

 これは日本人が観ても面白い作品となっている。いやむしろ、欧米人にはうまく理解できない人の方が多いだろう。アメリカでの興行収入はこけている。急速に経済発展した中国を身近に感じ続けてきた日本人だからこそ、この映画に出てくる中国の移り変わりに郷愁を感じ、愚直なまでの生き様に涙するのだ。

 

 ちなみに、トリビア知識ではあるが、主演女優は監督の奥さん、最後の二人の主人公となる香港人中年女性と若者は、実は親子である。

Go West