徒歩でもある程度観て周れる、フィンランドのヘルシンキ

 

 いくつか、「世界遺産のスオメンリンナ島」について書いた。

 

 北欧の東の端に位置するフィンランドは、人口約540万人と、人口だけをとると「小さな国」に思える。しかし、数百万人の人口しか持たない「ネーション」というのは、実は世界を見回してみると多くあり、日本のように一億を超える大国の方が数えるほどしかない。

 実際に数えてみよう。中国、インド、アメリカ、インドネシア、ブラジル、パキスタン、ナイジェリア、バングラデシュ、ロシア、メキシコ、日本、フィリピン。たったの12ヵ国だ。逆に、100万人から1000万人以下の人口の国は、66ヵ国もあるようである。

 

 フィンランドの首都ヘルシンキは、フィンランド全人口の11%ほどが集まるが、それでも人口60万人の小都市に過ぎない。街歩きには自転車があれば理想であるが、徒歩でも十分に観て回れるよくコンパクトにまとまっている都市である。

 

 ヘルシンキの中央駅は小ぶりながらも「旅立ちの雰囲気」をしっかりと留めており、どこかタイ王国のバンコクにあるホァ・ランポーン駅を思わせる。タイ王国は人口6700万人とフィンランドの12倍もの人口を数えるが、700万人都市バンコクの中央駅の「小振りさ」は逆に特筆すべきものがあると言えるだろう。

 さて、閑話休題。ヘルシンキだ。

 小振りなヘルシンキの街は、車中心というよりも、サイクリストやランナーに居心地の良いように設計されており、かつその方向性で都市開発もまだ進行中・進化中であるように思える。アジア諸国のように、歩いていると車やバイクにはねられるのではないか、というような心配をしながら、周囲に気を配らなければならないという場面は少ない。成熟度の高い思想の人々の暮らす街であるように思える。

 

 見どころと言えば、いくつかあるデザインの良い教会や、美しい墓地、繁華街の建築物などであるが、もっとも印象的なのは、やはり「街のあり方」であるように思える。街全体の明確な意志を持って発展している方向性に、地に足のついた思想を感じることができるのだ。

 港、オフィス街、工場群、商店街、住宅区、それぞれの区域には、しっかりとそれぞれの役割があり、目的に応じた機能が北欧ならのデザイン感覚で、しっかりと体現されているように見える。

 物価は総じて日本より高く、アジアではシンガポールと同程度の印象を受けるが、ちょうど人口も同程度のサイズ感なので、どこか通じるものがあるのかもしれない。しかし、暮らしやすさ、居心地の良さ、風光明媚さでいうと、個人的にフィンランドの方に軍配が上がる、と思うのではあるけれど。

北欧、良いね。