『Captain America Civil War』(2016)

 

 前作『Captain America: The winter soldier』がエンターテイメント作品として傑作であっただけに、期待値が異常に高かった本作。

 

 珍しく日本公開が早く4月末、世界公開は軒並み5月に入ってからであった。各国で興行ヒットを連発している。2週間ばかり前に、今年の映画の興行トップ5に入るであろう本作『Captain America Civil War』を観てきた。

 

Captain America: Civil War (2016)

PG-13 | 2h 26min | Action, Adventure, Sci-Fi | 6 May 2016 (USA)

 

 本シリーズの特徴は、他の映画で主演を張れる正義の味方のヒーロー達が、これでもかと共演している所にある。本作では、タイトルにあるキャプテン・アメリカを筆頭に、アイアン・マン、スパイダー・マン、アント・マンなどヒーローが目白押しである。

 

 

 そのヒーロー達が結成している「正義の味方組織」のアヴェンジャーズ内で、これまでの「正義の戦い」が必ずしも人々を救ってきただけではなく、甚大な被害ももたらしてきたという矛盾が持ち上がる。また、ヒーローそれぞれの家族関係などが複雑に絡み合い、二手に分かれて衝突するというストーリー展開。

 

 ヒーロー達の戦闘シーンは、これでもかというほどに豪華絢爛。ヒーロー映画モノの戦闘シーンの中でも、こんなに楽しい戦闘シーンはそうお目にかかれるモノではないというレベル。ここだけを観る為にも劇場に足を運んでも良いのではないかという程の水準だ。

 

 しかし、二手に分かれて雌雄を決するヒーロー達が、「なぜそれぞれのヒーロー達は戦っているの?」という根本的な疑問は晴れないまま、2時間半の映画はクライマックスへと突き進んでいく。

 そして、この作品がまだ「本シリーズの終わりではない」ことは、観客も皆わかっているというのが状況として面白い。「当然、次もあるんでしょ」と予測しながら映画を観ており、またエンディング・ロールの最後にはマーベル作品お決まりの「予告編的なオマケ映像」も付く。

 

 マーベル作品なので、映像のクオリティは申し分ないほど高い。作品の展開も早く、146分という作品の長さを感じさせないだけのテンポのよさ。サウンド、脚本、パフォーマンス、どれを取っても隙のない作りとなっている。

 

 それでは、最後に慣例の25点満点の評価をしておこう。

 

『Captain America: Civil War』(2016)

 

Visual: 5

Performance: 5

Screenplay: 4

Sound & Music: 4

Originality: 3


合計25点満点で21点!

 

 脚本とサウンドをそれぞれ一点ずつ減点したのは、観終わった後しばらくすると忘れてしまう内容と音楽であったから。オリジナリティは、本シリーズにそろそろ「マンネリ感」が出始めているので、2点減点とした。

 

 ただし、映像美はとてつもない水準となっており、邦画ではこれだけのSFアクション映画を撮ることは、予算的にも人員的にも追いつけない所に到達している。

 

 なぜ人々が劇場に金を払ってまで足を運ぶかといえば、「大きなスクリーンでこそ観る価値のある作品を思い切り良い音で楽しみたい」という需要があるからであろう。邦画の「物語でなんとか魅せる」という多くの作品は、家で観ても視聴効果がそう大きく変わらないので、今後もじわじわと邦画の興行の難しい時期は続きそうだ。

 

 

 

 日本語というローカル言語で撮られた映画が、世界市場を席巻する日は遠い。世界言語である英語で撮られた映画が、これだけエンターテイメント性が高いと、かつてのジブリ作品のように極度の差別化戦略が必要となる。

 

なんで戦っているんだっけ?