SFサスペンス・アクション映画 『Criminal』(2016)

 

 SFサスペンス(&アクション)映画である本作は、実は出演者が物凄い。

 

 FBIの凄腕若手捜査官として冒頭に出演するライアン・レイノルズは変態ヒーロー映画の傑作Deadpoolでも好演しているが、本作ではいたってシリアスな役柄。犯罪組織を追うCIAのプロジェクト・チームを率いるのはゲーリー・オールドマン、途中から本作の主人公となる「捜査官の記憶をもたされた凶悪な犯罪者」にケビン・コスナー、記憶を他者の脳へと移す脳外科の権威にトミー・リー・ジョーンズといった豪華な役者陣 。

 

Criminal (2016)

R | 1h 53min | Action, Crime, Drama | 15 April 2016 (USA)

 

<ここから先はネタバレ注意!>

 

 見所は経験豊富な役者たちの共演と、他者の記憶を持たされた、文字通り「二重(記憶)人格の犯罪者」の物語への絡まり具合である。映画の観客の視点では、なぜ犯罪者が他者(FBI捜査官)の記憶を持つのか、流れを追って理解しているが、劇中の人々はそんな事情など知らないという状況を楽しむことになる。

 最後に二重(記憶)人格の犯罪者、捜査官の奥さんと娘の三人が浜辺に寄り添うシーンは、その後の物語を予感させつつ幕を閉じる。人は肉体が別人でも、記憶や人格が愛する故人であった場合、その人を肉体とは別に愛し、受け入れられるのであろうか。「他界したと思っていた愛する人の記憶と人格が、他者の体の中で生きている」としたら、という近未来に起こりうるかもしれないSFの設定である。

それでは、最後に慣例の25点満点の評価をしておこう。

 

 

Criminal』(2016

 

Visual: 5

Performance: 4

Screenplay: 4

Sound & Music: 3

Originality: 4

 

合計25点満点で20点!

 豪華な役者陣の中でも、今回は主演のケビン・コスナーが汚れ役を演じている所が興味深い。ケビン・コスナーといえば役柄として「清く正しい道」を歩いてきた役者であったが、ここにきて演ずる役柄の幅を広げたと言える。往年のケビン・コスナーのファンには必見の作品になっているだろう。自分はそうファンではないが。

 

 惜しむべきは、悪の犯罪組織のボスが近年のアメリカ映画だと「みんな極悪非道なロシア人」という安っぽい設定になっており、この映画でもそれが踏襲されている点。そんなに何でもかんでもロジア人が悪いというのは、変でしょう。まるでロシアが悪の総本山のような描き方。

愛する人の肉体と精神、どちらが大事?