バンコクのカオ・マンガイ有名店:ゴーアン プラトゥナム

 

 カオ・マンガイ、タイ王国の全土で食べられる庶民的な鶏ご飯料理だ。

 

 本来は中国の「海南鶏飯(はいなんじーふぁん)」という名の料理であったチキン・ライスが、華僑のタイ王国への渡来と共に伝わった。元々の海南鶏飯は、蒸し鶏をご飯と一緒に食べるスタイルの料理であったが、東南アジアへ伝わるにつれ、ベトナムではおかずがフライド・チキンのものが増えたり、マレーシアのマラッカではご飯をボール状にしたりといった具合に、少しずつ変化をして各地に根付いている。

 バンコクのカオ・マンガイの有名店の一つ、プラトゥナム地区にある「ゴーアン」は、ピンクのシャツを着た10人前後の店員たちと、多くの客で連日賑わっている。メニューを見ると、創立1960年とのことであるから、56年も営業してきた食堂であり、移り変わりの早いタイ王国の飲食業界においては、「老舗」と言えるだろう。

 ここの看板料理は、なんといってもカオ・マンガイ、蒸し鶏の乗ったライスなのであるが、他にもメニューには幾つかの料理が名を連ねる。日本の渋谷にも支店をオープンするなど、日本人にも人気のお店ではあるが、タイでは40バーツ(約130円)で食べられるこのカオ・マンガイも、渋谷では数百円はするのであろう。

 肝心の味の方であるが、ごくたまに食べるには良い。頻繁に食べると飽きてしまう味なので、適度に「ごくたまに食べる」というサイクルを自分で加減した方が良いだろう。また、ご飯は鶏の油で炊き込んであるので、頻繁に食べると太りやすい料理らしい。

 かつては無かったのだが、日本に支店を出したくらいから登場した立派なメニューには、店主と思しき風格の男性と、主要スタッフが収まっている写真が掲載されている。よく見ると、写真のスタッフの中に二人レディー・ボーイがおり、一人トム・ボーイがいる。「間違い探し」の要領で、カオ・マンガイが運ばれてくるまでこの写真を覗き込むのも、バンコクらしい余興である。しかし、あまり盛り上がってもいけない。たまに本人たちが食堂で働いているので、注意が必要だ。

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 タイ王国ではレディー・ボーイやトム・ボーイが食堂スタッフにいても、じろじろと見るような野暮なことをしてはいけない。「退屈な舞台に彩りを添えている役者たちなのだ」と老練な舞台監督のような気分で、「自然にそこにあるもの」として受け入れる心が必要だ。

 

「たまに」だと、そこそこ美味。