『空飛ぶロボットは黒猫の夢を見るか?』(高城剛)

 かつて、自称「ハイパー・メディア・クリエイター」と名乗っていたかと思う高城剛さん。彼が20163月に上梓した本書は、近年出版に力を入れている同氏の著作の中でも、力作のようだ。というのも、「薄い内容をいつも写真で誤魔化す高城さん(失礼!)の割に、本書はそれに当たらずしっかりした内容になっている」からだ。

 今日、ドローン市場には3社のメイン・プレイヤーがいる。

 

 牽引役は中国深圳にあるDJIとのことで、個人利用のドローンに限って言えば同社がドローン市場の7割のシェアを持つという。

 

 追随するのがアメリカのクリス・アンダーソン率いる3Dロボティクス社、そしてフランスのパロット社の2社とのこと。といっても、DJIが企業として人的・資金的規模が格段に大きく、社員3000人、ファンドからは投資が相次いでおり、(上場すれば)時価総額は1兆円を超える評価になるという。3Dロボティクス、パロットの各社は社員数百人規模とのことだ。

 

 実は、ドローンを「大人のおもちゃ」程度に考えていたが、本書を読んでその認識が変わった。ロジスティクスのラスト・ワンマイル問題を解決する手段として、アマゾンがドローンの実証実験をしているというニュースを目にしたことがある人も多いだろう。本書でもそれはより詳しく取り上げられている。有人配達によるラスト・ワンマイルの高コスト体質を無人のドローンによって配送することができれば、一つの流通革命となりうる。

 

 しかし、今日巷を騒がせているドローンと、近未来の進化したドローンとは、根本的に二つの異なるものであるという。近未来のドローンはインターネットに綱がるドローンであり、そこから派生するビジネスは格段に増えるだろうと予測している。機体の進化も、インターネットの進化を表していた「ドッグ・イヤー」のさらに倍の「ダブル・ドッグ・イヤー」とまで呼んでいる。

 

 10数年前になるだろうか。高城剛さんの『ヤバいぜっ!デジタル日本』という本を手にしたことがある。この本はかなり衝撃的であった。彼の説くその内容にではなく、本の作りに衝撃を受けたのだ。というのも、前半と後半が同じ内容だったのだ。他の書籍から内容を剽窃する、コピペするという問題は散見するであろうが、「一人の著者による一冊の本の中で、前半と後半同じ内容」というのは、後にも先にもこの本以外お目にかかったことがない。できることなら、「高城さん、あの本のお金返してください」と言いたいものだ。あの本において「ヤバい!」のは高城さんご本人であった(とっても失礼!)。

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