東南アジアでは雪が降ることがない。これは比較的北部に位置するベトナムやミャンマーといった、冬場それなりに寒くなる地域でも、滅多にあることではない。
理由は簡単で、氷点下にまで気温が下がることが無く、偶然に氷点下になったとしても、その際に降水がなければ雪も降らない。
通常、東南アジアの「比較的気温の低い冬」は「乾季」である11月から2月頃なので、より雪が降りづらい環境なのである。

しかし、だからといって東南アジアの人々が雪の存在を知らないわけもなく、それは世界の各地で降っていることを誰もが知っている。雪を見たことのない人たちは、雪に対する憧れが強い。海を見たことのない内陸の人々が、海を見てみたいと思うのと同じように。

よく外国人、特に日本人が東南アジア人を口説く際に「良く効く口説き文句」として言われるのが、「冬の日本に雪を一緒に観に行こうよ」というものだ。
「ロマンティックな雪景色を観に行きたい」
「日本への旅行のアゴ・足・枕、もちろん財布代わりの日本人男性の負担」
さらに「そして親類や友人へのお土産代までせびるチャンスもある」
そうした打算から「日本に雪を一緒に観に行く」という誘い文句に乗る東南アジア人の女性が少なくないとか。

育ちの良い子女は、こんな誘い文句には乗らないので、こうした誘い文句に乗ってくるのは、主に金に汚い女性ということになるのであるが。
誘う方も誘う方なら、誘われてついてくるのも洞穴なのだ。
「個人的に途上国の女性にODAを配ることに熱心」な日本の殿方は、お気に入りの東南アジアの女性に「冬の日本の雪を一緒に観に行こうよ」と誘った心当たりのある人もいるであろう。
駐在員として家族と共に東南アジアに住んでいても、とうに夫婦生活は形骸化し、マッサージやスパ、買い物や子育てに忙しい奥さんの眼を盗んで現地女性と遊んでいる男性も、「日本への出張」と称した「雪国旅行」があるとかないとか。

案外、やり手の日本人女性になると、東南アジアのボーイ・フレンドを口説く文句として、「冬の日本に雪を見に行こうよ」と誘っていたりするんでしょうかね。
雪景色を見ながら、温泉に浸かりたい。