『火花』 『夜を乗り越える』 又吉直樹

 

 『東京百景』(又吉直樹)についての感想を書いた。時期を同じくして読んだ『火花』と『夜を乗り越える』に関しても、備忘録として書いておこう。

 

 まず、300万部のベスト・セラーとなった『火花』。この本の存在はずっと知っていたし、書店で見かけることも何度もあった。香港の九龍公園の向かいにある、日本語の古本を扱う小さな書店ですら、『火花』を見かけた。

 又吉さんの小説としての二作目の『劇場』が出たことで、『火花』のブームが下火になったと感じ、やっとその『火花』を手に取ってみようという気になった。

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『東京百景』 又吉直樹

 

 2015年以降、一躍時の作家となった、お笑い芸人であり作家でもある又吉直樹さん。彼の作品である『東京百景』『夜を乗りこえる』、そして300万部というベスト・セラーとなった『火花』を遅ればせながら読んだ。

 

 現在、巷で話題となっている『劇場』は、まだ手に取っていない。東京の100の心象風景を集めた『東京百景』を最初に読み、続けて『夜を乗り越える』『火花』と読んでみた。「この人は(日本文学という範疇の中では)本物だ」とよく分かったので、いずれ『劇場』や他のエッセイ集なども読むことになるだろう。

 

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寄藤文平さんの本を三冊ばかり手にする

 

 10年以上も前になるだろうか、非喫煙者である自分が『大人たばこ養成講座』をその面白さで買ってしまったのは。

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分かりやすい、『人工知能と経済の未来 2030年雇用大崩壊』

 

 20167月に文春文庫から出版された『人工知能と経済の未来 2030年雇用大崩壊』(井上智洋)を読んだ。

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『ネクストラベラー:シンガポール』 高城剛

 

 近筆『空飛ぶロボットは黒猫の夢を見るか?』が面白かった高城剛さんが旅行シリーズ本を出していたので、気になっていた。

 

 さすがにいつも面白いコンセプトを出して耳目をさらうことに余念のない高城さんだけあり、「Next + Traveler = Nextraveler(ネクストラベラー)」ということ。

 

 旧態依然としたほぼ広告しかない中身や、写真と情報だけネットで集めて作ったガイド・ブック業界に一石を投じようというコンセプトが売り。『地⚪️の歩き方』など「ほぼ広告で中身がない」という旅行本とは一線を画す、というのを「売り」にしている。

 

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『空飛ぶロボットは黒猫の夢を見るか?』(高城剛)

 かつて、自称「ハイパー・メディア・クリエイター」と名乗っていたかと思う高城剛さん。彼が20163月に上梓した本書は、近年出版に力を入れている同氏の著作の中でも、力作のようだ。というのも、「薄い内容をいつも写真で誤魔化す高城さん(失礼!)の割に、本書はそれに当たらずしっかりした内容になっている」からだ。

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『絵と言葉の一研究 わかりやすいデザインを考える』寄藤文平

 

 近年、デザイン界や広告界の人々の仕事術や思考法が注目を集めることがしばしばある。サムライの佐藤可士和さんやタグ・ボートの岡康道さんが代表例であろう。多くの「面白くわかりやすい」イラストレーションの仕事で人気を博している寄藤(よりふじ)文平さんの本で、気になる本があったので手にとってみた。彼の『大人たばこ養成講座』などは、タバコを全く吸わない自分でも買ってしまった本だ。

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