物価の高い北京の無料観光スポット 1

 

 すでに何度も北京を訪れている人や、中長期の滞在者には役に立たないが、「初めて北京を訪れる」という人の参考にはなりそうな「無料観光スポット情報」を備忘録代わりに記しておこう。「1・2・3」と3つのパートに分ける。今回は初回の「1」です。

 

 

 

 中国を旅するにあたって、かつてのように「何でもかんでも安い」という状況はすっかり様変わりしている。むしろ、「日本と比べて、色々なものが高い」というのが実情だ。街歩きに疲れてシアトル発の世界的なコーヒー・チェーンに入れば、コーヒーが約400円、カフェ・ラテが約500円からといった具合。

 

 

 かろうじて「まだ安いな」と感じられるのは、市の中心部を広域にカバーしている地下鉄(地鉄)網や公共バス、タクシーなどの移動手段である。

 

 地下鉄は短距離3元(約50円)、最大で9元で路線を乗り換えてどこまでもいける。バスも使えると安い上に北京市内の移動を網羅しているので便利ではあるが、土地勘のない旅行者(初心者)には、やや難しいかもしれない。

 

 それでもタイのバンコクや韓国とは違い、中国には前後の各停留所の名が書かれた掲示板があるので、漢字を理解する日本人には理解しやすい。これがタイや韓国だと、先の停留所名が書かれていないし、ごくまれにあっても基本的にタイ文字やハングルだ。

 

 さて、本題に入ろう。私のすすめる「物価の高くなった北京での無料の観光スポット(1)」は、市の中心部にある「国家博物館(国博)」である。

 

 では国家博物館、何がそんなにオススメなのか?莫大な予算をかけている割に、「入場料が(ほとんど)無料」なのだ。そういえば、お隣の「韓国の国家博物館」も無料である。翻って、日本はどうだろう?

 

 

 天安門広場に面する、文字通り北京の中心地にある「国博」は、中国の歴史的に重要な物品を展示する博物館だ。中国は世界四大文明の一角を占めるだけあり、古代から世界文明をリードしていたことが窺える。むしろ、今日の「先進国のモノマネの上に新しい付加価値を足した中国」よりも、古代の中国は正真正銘の「クリエイティブな国家」であったことがよくわかる。

 

 ここは中国人であればID、外国人であればパスポートを見せ、整理券を貰えば入場料が無料で手にはいる。テロに対して共産党は非常にナーバスになっており、入場時のセキュリティ・チェックが「空港並みに厳しくなっている」のはやや興ざめだが、それでも「無料」なのは太っ腹だ。

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 広い館内をくまなく観て回るだけで、少なくとも数千歩は歩くことになる。目の前にある世界最大の広場である「天安門広場」や中国の国会議事堂である「人民大会堂」、蝋で固められた毛主席の遺体が見学できる「毛沢東記念館」、紫禁城(故宮)などを一緒に見て回るとしたら、総歩数は2万歩以上となるので、うまい具合の按配が必要である。時間が許すようであれば、故宮と国家博物館は別の日程が良いかもしれない。

 

 さて、国家博物館の中身であるが、古代からある所蔵品の数々は、国宝クラスのものが目白押しである。世界遺産クラスといっても過言ではないだろう。何せ、かつての中国は世界をリードした文明の一つである。

 

 比較的新しい展示物は、近代の「共産党のプロパガンダ」時代のものであるが、これはこれで興味深い。(プロパガンダはいまだに続いているのだが)

 

 博物館の目の前には悲喜こもごもの歴史が刷り込まれた「天安門広場」に「故宮」、そして泣く子も黙る「(やや偽物っぽい)毛沢東の遺体」まであるというロケーションである。

 

 近年、北京の空気汚染は深刻な日も少なくないが、国家博物館の中の空気汚染指数は建物の外(屋外)の半分以下ではないかと思われる。空気の悪い日には国家博物館の中を観覧し、空気の比較的良い日には故宮や天安門広場などを歩いてみて周るというのが、さらにスマートな旅人である。

 国家博物館は、中国古来の物品をメインに展示している博物館で、「かつての中国人は本当に優れていたのだ」ということを理解するのに役立つ。今日のように世界中の良い品の模倣でなんとかのし上ってきた近代中国とは異なり、かつての中国は文字通り「世界の文化と経済をリードしていた輝かしい存在であった」ということが良く分かる。過去形だけれど。

おすすめの時間帯は、朝一。