中国遼寧省丹東市:北朝鮮との国境の街

 

 北京から快速列車の硬座席に座り、13時間55分もかけて遼寧省は丹東(ダンドン)の街にやって来ました。今回は丹東の街の様子をお伝えします。

 

 

 さて、北京から14時間ほどかけ、夜行列車に揺られてやってきた丹東。ほとんど眠ることができず、他の乗客もさぞ疲れていることであろうと思うが、はたから見ていると皆わりと元気だ。長時間の列車の旅に慣れているのであろう。いやむしろ、14時間の列車の旅というのは、中国大陸では「そう長い旅路でもない」と認識される。24時間以上だと、「さすがに長いね」となるが。

 

 丹東の駅は、中国のどこにでもある地方駅という趣で、ここからすぐ目と鼻の先に、北朝鮮との国境があるという緊張感は特になかった。

 

 駅から少し歩いたところで、投宿宿を決め、荷を解く。

 

 あれほど疲れていたはずの夜行列車であるが、陽の光を浴びて少し歩くと、元気が出るのは不思議である。宿の近くの食堂で、簡単な麺料理を食べた。中国大陸では、どこの街に行っても、安価でそこそこ食べられる麺料理にありつけるのがありがたい。大きな外れがないのだ。麺やの壁、窓沿いには、北朝鮮との国境となっている川の名前を冠したビールの瓶が並ぶ。

 麺で腹が膨れ、宿に戻り、少し横になる。いわゆる「ホテル」だとチェック・インの時間は午後の昼食を少しまわった頃となるが、ネットで予約をせずに、直接宿に「空いている部屋はある?」と尋ねて投宿した宿だと、朝の早い時間からも割り増し料金などなしに部屋を使えるのがありがたい。

 

 仮眠を取った後、丹東(ダンドン)の街を散策してみることにした。

 

 といっても、丹東の街は、小さな田舎町である。東側は北朝鮮との国境となる河川の「鴨緑江」であり、その西側がこの国境の川にへばりつくようにして増殖しつつある丹東の街である。

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 中国の田舎町らしく、道には果物の露天商やギャンブルに勤しむ市民が見られる。

 

 北京や上海などの大都市だと「城管」と呼ばれる街の保安官が、無許可で営業をする露天商を蜘蛛の子を散らすように蹴散らしているが、田舎町である丹東ではまだおおらかに営業が許されているようであった。

 

 また、中国大陸の人々の大好きなギャンブルは、この街でも市民の大切な遊戯であり、道端のそこかしこで賭けトランプや賭け麻雀などして長い1日を過ごす人々の姿が見られた。

 

 

 どこの街でも市場に寄ってみると、その街の台所事情が垣間見られる。ここでは当然ながら朝鮮系の顔をした人々が朝鮮系の食糧を商う店があり、また中国北西に多い回族の人々のムスリム系の食材店も散見することができた。

 

 丹東の街の主な収入源の一つに、「観光業」がある。街のいたるところに、北朝鮮への日帰りツアーを催行している旅行会社がのカウンターが目に付く。

 

 中国は北朝鮮の最大の援助国であり、中国大陸人は北朝鮮にとって大切な客人である。彼らはビザなしでも日帰りツアーに参加し、鴨緑江を越えて北朝鮮側の国境沿いの町をいくつか見て周ることができるようである。

 

 しかし、世界最強のパスポートである日本・シンガポール・韓国・ドイツのそれを持ってしても、現在のところこの「北朝鮮への日帰りツアー」に申し込むことはできない。ちゃんとした許認可を得ている旅行社で、事前に北朝鮮人の公式ツアー・ガイドを連れた「北朝鮮の旅」に申し込む必要がある。

 

 自分は丹東を訪れた後、遼寧省の東側の街に友人を訪ねる予定があったので、あくまで「北朝鮮との国境の街」を観に来たという程度に過ぎなかった。近い将来、北朝鮮の体制が崩壊し、もっと自由に北朝鮮へと国境を跨ぐことができるようになった暁には、是非とも彼の地を踏んでみたいと思う。

 次回、北朝鮮側の土地を垣間見る、鴨緑江クルージングをお伝えします。

川のこちら側はずっと裕福。

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