バンコクのアイコン・サイアムは、かなり「ハイソ〜」

 

 「前回のブログ」でバンコクの新名所となっているショッピング・モールの「アイコン・サイアム」を紹介しました。今回はその続きです。

 若いタイ人の使う言葉には、諸外国の若者同様に、「英語がそのまま現地語に変換されて使われている言葉」も少なくない。

 

 10代から30代ぐらいまでの比較的若いタイ人の口から出る、「ハイソ〜」という言葉もその一つであるだろう。「ハイソ〜」とは、英語の「High Society」から来たものであると考えられるが、それは「高級な」とか「上流階級の」とかいう意味で会話の中で使われている。えてして、冗談めかした場面で「ハイソ〜(お金持ち〜)」という場合が多い。

 アイコン・サイアムに訪れるタイ人の心中には、十中八九の割合で、「ハイソ〜」という言葉が思い浮かんでいることだろう。

 

 2018年末、まだオープンして間もない頃のアイコン・サイアムに、タイ人の友人と訪れた折に、とてつもない高さの吹き抜けと内装のゴージャスさに、日本人である私でも思わず「ハイソ〜」と声をあげた。下手なタイ語を使う外国人が発する「ハイソ〜」に、タイの友人は大笑いである。

 調子に乗った自分は、何を見ても「ハイソ〜」を連発する。

 

  綺麗で高そうな電飾を見ては「ハイソ〜」 長いエレベーターに乗っては「ハイソ〜」、フロアを打ち抜いた豪華な柱を目にしては「ハイソ〜」、常に流れる優雅なBGMに耳を傾けては「ハイソ〜」、トイレの洒落たデザインの掲示板と綺麗なトイレ空間に「ハイソ〜」、タイ王国初のアップル直営店の金に糸目をつけない内装と外装に「ハイソ〜」、上階にある子供用の遊具空間や子供用の特別なトイレのあるメイジャー・シネコンプレックスで映画を観ては「ハイソ〜」、低層階にある全く流れていない屋内フローティング・マーケットを観ては「ハイソ〜」、オス象のオブジェに男根があるのを見ては「ハイソ〜」、上層階の屋外ラウンジからチャオプラヤー川の向こうに空気汚染でやや霞んで見えるバンコクの街並に「ハイソ〜」、ネスプレッソの直営店でおカマの店員さんにコーヒーを試飲させてもらっては「ハイソ〜」といった具合。

 

 もう、何から何まで「ハイソ〜」で形容できるのだ。

 実際に、アイコン・サイアムに「ハイソ〜」な人も来店しているのを目にした。テレビ番組の撮影か何かで、今日タイ王国で最も人気のある女優・モデルのYAYA(多くのタイ人は「ヤヤー」と少し語尾を伸ばす)さんがいた。YAYAさんは大手スポンサーの企業広告をいくつも抱えており、タイでルイ・ヴィトンのブランド・アンバサダーなども務めている「ハイソ〜」な人だ。

 

 YAYAさんのファンクラブの親衛隊が数人「YAYA」というプラカードを持って練り歩き、数十人のタイ人のお客さんたちが、一目YAYAさんを近くで見ようと撮影が行われているお店の前に数十人の人垣となっていた。行き交う人々も携帯電話を取り出してYAYAさんを遠巻きに撮影している。なんとも「ハイソ〜」な女優・モデルさんのご来店である。

 

 しかし、YAYAさんが誰だか知らない現地妻のいる老齢の白人男性などは「Who is YAYA?YAYAって誰?)」と奥さんに空気の読めない質問をしていたが、ほとんどのタイ人はYAYAさんを「ハイソ〜」な女優・モデルさんとして知っている。

 いまタイ王国で最も「ハイソ〜」なショッピング・モールのアイコン・サイアム。ここを訪れると、日本のGINZA SIXであっても、「どうにも細々している」と感じてしまう。スケール感ではシンガポールのマリーナ・ベイ・サンズには及ばないものの、クアラ・ルンプルのペトロナス・ツィン・タワー階下のショッピング・モールには肩を並べているか、それ以上の「ハイソ〜」空間と言えるだろう。

 

 アイコン・サイアムに現在足りないのは、「素敵な本屋」ぐらいのものである。本屋巡りの好きな自分には、「これで居心地の良い本屋もあったら、よりハイソ〜だな」と思わずにいられない。

 

 

 アジアでトップ・クラスの「ハイソ〜」なショッピング・モール、機会があればご来店あれ。

 

 アイコン・サイアムへのアクセスは、「船がオススメ」です。

 

 ハイソ〜!