やはり手強い、バリ島はウブドの市場

 

 ここ数年、毎年のようにバリ島を訪れている。訪れるたびに、かつてのバリ島の魅力は姿を消しつつあるのを肌で感じる。「(神々への)捧げもの」という意味を持つ「バリ」。この島の魅力や魔力が完全に消えてしまう前に、最後の灯火を見届けたいという想いが強い。

 

 さて、ウブドの王宮の向かいにある市場は、地元民と観光客でいつもごった返している。明け方、鶏が鳴く頃には新鮮な野菜や果物、お祈りに必要な花や装飾品などを売る業者が、近隣から小型のバンで駆けつけ、所狭しと市場の周囲や中庭を埋め尽くす。市場の中に実店舗を構える土産物屋は、少しゆっくりと営業を始めるが、店じまいも日暮れまでと遅い。しかし、生鮮食品を扱う業者は、朝方が勝負である。

 通常、こうしたローカル市場では、スーパーやコンビニなどよりも物が安く買えるものであるが、このウブドの市場はなかなか手強い。バリ語を話す地元民であれば適正価格で買い物ができるようであるが、旅行者には法外な値段をふっかけてくることが通例となっている。

 

 また、他の地域からやってきたバリ語を離さないインドネシア人であっても、「ヨソ者価格」となるようで、良くも悪くも深く根付いた「バリ島の村人根性」は、ここではまだ健在である。

 地下階と一階にある実店舗は、それなりに行き交う人でごった返しているが、二階へ登ると急に閑散とし、屋上まで登るとかなり廃れた光景が広がる。この辺りも使い方によっては、ウブドの中心部にあるので、人気のスポットとなりそうであるが、ずっと「ほったらかしにされたまま」というのも、なんだかそれはそれでウブドらしい。

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 以前、母と一緒にバリ島を訪れた際、彼女がウブド市場で立ち話をしたバリ島に20年近く住むという日本人の女性が、「買い出しは大変ですよ」と語っていたそうだ。

 

 そこには、交通網・流通網の脆弱さからくる「物理的な大変さ」と、もともと外国人である長期滞在者が「適正価格に落とし込むために必要な業者との交渉」などの「心理的な大変さ」があるのだろうと思われる。

 

 バリ島歴20年の人でも、ウブド市場では大変なのだ。まず、旅人がこの市場で「適正価格で物が買える」と思わないで訪れることが肝要である。土産物なども、場合によっては適正価格の10倍ぐらいの値段をふっかけてくるので、ここでは「バリ島にはどんなものがあるのかな」と、品定めをするだけに留めておくのが賢明である。

 

 

できれば、地元民の友達と一緒に行くと良いかも。