インドネシア:また訪れたい人形博物館(ジャカルタ)

 

世界最速で沈みゆく街と呼ばれるジャカルタ。このインドネシアの首都で観るべき博物館を挙げろと言われれば、ジャカルタ旧市街であるジャカルタ・コタにある「人形博物館(Wayang Museum)」がまず思い浮かぶ。

 

人形博物館(Wayang Museum)は、鉄道のジャカルタ・コタ駅から徒歩10分ほどの場所にある。駅から道を対岸に渡る歩道橋や地下道があれば、旧市街へのアクセスももっと楽で安全なのであるが、歩行者の利便性や安全性が後回しになり、車やバイクの疾走する道を「無理やり横断しないといけない」のが、なんともインドネシアである。しかもずっと。

 

さて、ファタヒラ広場に面したミュージアムやレストランがいくつも連なるエリアにあるが、歴史博物館や有名なだけで高いレストランの人気に埋もれ、意外に参観者が少なめなのも狙い目である。

 

インドネシアの多くの女性は、このファタヒラ広場で「妙な麦わら帽」をムスリムのヒジャブの上から被り、貸し自転車に乗って嬉々としている。外国人にはちょっとその面白さが分からない楽しみ方であるが、その光景が逆説的に面白かったりする。そうしたインドネシア人の不思議な感性を横目に、人形博物館(Wayang Museum)へと訪問することになる。

 

展示品の説明が少なく、また展示品が高密度で展示されているので、いまいちな感じになってしまっている「インドネシア国立博物館」よりも、この人形博物館(Wayang Museum)は説明なしでも楽しめるのが良い。人形なので、何を表しているのか、もう見たまま、そのままなのだ。

 

しかも、かなり個性がある人形の造形が多く、多民族国家であるインドネシアらしく、肌の色や顔立ち、姿形が異なる人形群が目に楽しい。

 

 

水木しげるさんが戦時中、戦後にも何度も訪れたというインドネシアは、何か「パワーのある精霊や妖怪のいる場所」という気がしないでもない。人形博物館(Wayang Museum)を観てまわると、この地の持つ「底抜けに快活な気分」や「鬱積した情念」が人形文化の中にも渦巻いているのが感じられる。

 

ちゃんとした説明はほぼないが、ひと作品ごとにパワーの宿るのが感じられる人形博物館。また機会があれば訪れてみたい、見所の少ないジャカルタにあって、きらりと輝くパワー・スポット的な博物館である。

 

ミュージアム入口には、野良猫ものんびり

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