ラオスのレストランは侮れない

 

 タイ王国の裏山、ラオス。首都ビエンチャンからバスで3時間ばかり北上したところに、川遊びで有名なバン・ビエンがある。バン・ビエンには欧米のバックパッカーを中心に、多くの若い観光客が集まる。川遊び以外に特にやることもない町なので、 旅人にとって一日に何度かの食事は大切なイベントだ。安くて美味いものに当たればその日は気分よく過ごせるし、その逆であれば、機嫌のよいひと時を取り返すのに、時間がかかる。

 中国人の友人二人と、バン・ビエンの中心部にある「レストラン 兼 コンピュータ修理店 兼 旅行代理店 兼 サンドイッチ屋」に行った時のこと。

 

 強い日差しを避け、レストランの店内に入り、「営業中かどうか」を確認する。東南アジアではお昼過ぎに休憩に入ってしまう店も多いので、まず「営業しているかどうか」を確認する必要がある。

 

 店員からは「やっている」とのこと。よし、第一関門クリア。

 ちゃんとした写真付きのメニューのある店で、注文も楽にこなすことができた。私は写真ではそこそこの見栄えのビーフ・ステーキをオーダーし、中国人の友人はタイ王国に着いてからでも間に合うという私の助言を無視して、「カオニウ・マムアン(マンゴー・スティッキー・ライス)」を注文した。旅の資金が少なくなってきたもう一人の中国人の友人は、「私、お金がないから、二人が注文したものを少しずつもらうよ」と悪びれることもなく言い放った。まぁ、いいけど。

 まず、ディナーのメニューにあった私のビーフ・ステーキがやってきた。ディナーの欄にあるが、実際にはランチであろうがブレックファーストであろうが、オーダーはできるらしい。メニューに載っている写真と、実物のそれとが別の料理ではないかと思われることは、中国の田舎町や東南アジアではしばしばある。国全体が田舎町であるラオスでは、どこで料理を注文しても、メニューの写真と実物とが異なる「羊頭狗肉」は「よくあること」だと肝に銘じておくべきである。

 私のビーフ・ステーキがメニューのそれとは異なるものであったのを、思い切り笑っていた中国人の友人の二人。確かに、メニューのビーフ・ステーキの写真と比べると、別の料理ではないか?と思われるほどであった。食べてみると、ポークの味のするビーフというおまけ付き。ポテトとパンが付くとメニューにはあったが、そんなものどこにもない。「牛頭豚肉」である上に、サイド・ディッシュなし。

 

 

 続いて、中国人の友人が楽しみにしていた「カオニウ・マムアン(マンゴー・スティッキー・ライス)」がやってくる。

 「あれ、こんな料理たのんでませんよ。これリゾットですよね?」と言いたくなるが、よくよくみると、通常はもち米の上に乗っている筈のマンゴーの果肉がミンチされ、もち米とミックスされ、ココナッツ・ミルクもその中に混ざっているようだ。まるで離乳食のように消化に良い状態にされているところからも、ラオス人の優しさが感じられる。

 

 しかし、メニューの写真と実際の料理は、外見が相当に異なる。どうやらこの「レストラン 兼 コンピュータ修理店 兼 旅行代理店 兼 サンドイッチ屋」では、メニューの料理の写真と実物とは、「従姉妹の旦那さんの中学の時の同級生」ぐらいに「想像のつかないもの」だと考えておかねばならないものであったようだ。

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