まだまだリーズナブルな葛西臨海水族園、でも。

 

 毎日多くの人々が、どこかのぼせたような顔付きで引き寄せられるJR京葉線「舞浜」駅のお隣に、日々の利用者の数が舞浜駅より一桁は少なそうな駅がある。その名も、「葛西臨海公園」。そして、その東京湾に面した葛西臨海公園の中に、「葛西臨海水族園」はある。

 首都圏在住の人であれば、大抵は葛西臨海水族園を知っているか、行ったことがあるだろう。しかし、全国的にはどうなのだろう。舞浜の東京ディズニー・リゾートには行ったことがあっても、葛西臨海水族園にまで足を止める人は少ないのかもしれない。

 

 私はこれまでに10回前後は葛西臨海公園に行ったことがあり、また水族園にも78回は訪れている。前回訪問した際に、「下敷きを買った」という話は前にも書いた。

 

 葛西臨海水族園の良さは、水族館が単体であるというのではなく、公園の中にあるという立地も大きい。駅や駐車場から大観覧車を横目に、水族園に向かって歩く間に、次第に楽しみな気持ちが膨らんでくるよう、よく計算されているのだ。きっと。

 贅沢な用地の使い方とは裏腹に、葛西臨海水族園の入園料は大人700円とリーズナブルだ。少し前まで600円ぐらいであった気もするが、700円でも安い。年間パスポートは2800円。年間4回以上行く人は元が取れる。

 

 「世界最大のアクアリウム」という謳い文句のシンガポールはセントーサ島にある水族館に行ったことがあるが、確か入館料は葛西臨海水族園の年間パスポートよりも高かった記憶がある。

 

 巨大な水槽に大きな鮫など魚の種類の豊富なシンガポールのそれと、入ってすぐの所の大きな水槽のマグロの多くを亡くして肩を落としていた葛西臨海水族園を単純に比較はできないが、「ちょっと水族館でも行くかな」と気軽に文庫本程度の値段で向かえる価格は、やはりありがたい。なんというか、葛西臨海水族園の方が、庶民の生活の側にある感がある。

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 葛西臨海水族園の大きな水槽、小さめの水槽、館外に出たところにあるペンギンの水槽など一通り愉しんだ後に、いつも「んー、これは」と思うのが、シーフードをいくつも揃える食堂だ。大切に飼育されている魚を観てきた後に、その同類である魚を食べる、という発想には馴染めない人も多いのではないだろうか。だからといって、「魚を抜いたメニューだけ」というのもわざとらしい。

 

 オーダーするのも「魚の料理をたのむべきか、やはり可哀想だから魚以外にするか」と悩みは尽きない。私はいつもこの食堂では食事ができず、水族園を後にしてきた。

 

 魚にとっては「地獄の鬼たちの歌」でしかない『おさかな天国』を口ずさみながら、いつかあそこで思い切りシーフードを楽しめる日は来るのであろうか。

 

 

 

PV『おさかな天国』の男性は必要?