済州(ジェジュ)島でレストランを経営している友人とお母さんが、ソウルから来た友人と日本から来た自分を「世界自然遺産の城山日出岬」まで車で連れて行ってくれた。
この「世界自然遺産の城山日出岬」、通常は入場料がかかるのであるが、済州島の住民は「無料の入場チケットを貰える」らしい。ジェジュ島でレストランをやりくりする友人を少し車で待っていたら、無料のチケットを二枚貰って来てくれた。
正規の料金を払ったらいくらだったのだろう。割と良心的な韓国なので、ものすごく高くはないだろうけれど、こういうのが無料になるのは、その料金以上に「感覚値として」嬉しかったりする。

ソウルから来た友人は、「ゲートを通る時には、喋らず済州島の人のふりしてね」と言っていた。もちろん、「私はジェジュ人ですニダ」という顔をして、ゲートを通過する。私はかつて一斉を風靡したヨン様(キム・ヨンジュン)に少し似ているらしいので、難なく通過。ヨン様に似ていて初めて得をしたニダ。
余談だが、(というか、当ブログは全て余談ですね)ヨン様は日本で荒稼ぎした後、韓国で芸能事務所を開き、今では韓国4大芸能事務所と呼ばれるほどの有力芸能事務所のオーナー兼所属タレントであるらしい。ビリオネアである。

さて、城山日出岬登りである。冬場でも登っている内に熱くなるので、夏場はさぞ大変であろうと感じた。高台から眺める済州島と海の景色は、なかなかに良いものである。
途中でなんだかものすごい伝説のある岩があったりしたが、「将軍が飛び乗った時に足跡がついた」などの説明を読んで「んなわけないよね」と心の中で突っ込む。英雄伝説もいいのだが、これは明らかにSFの世界。
第二次世界大戦中、ここは日本の「特攻(自殺)部隊」の隠れ砦であったという。色々と歴史的に重要な出来事があったこの海底火山によってできた自然の要塞は、世界自然遺産としてユネスコに登録されている。また、実は済州島全域が世界自然遺産とのこと。
済州島では戦後も「済州島(チェジュド)4・3事件」など悲劇的なことが起きている。歴史を踏まえた上で、この島を訪れると、考えさせられることが多い。
沖縄と済州島は、もともと独立国家であった歴史やその後の悲劇的な事件など、重なるところが少なくない。
この日は、岬から少し歩いたところにあった焼肉屋で夕食。韓国では、適当に入った焼肉屋でもそれなりに美味しい焼肉が食べられるのが嬉しい。大きな外れがないのだ。
韓国は「美酒美食の国」なので、訪れるたびに少し太ってしまう。
済州島の光と闇。