入館料無料でも高品質、韓国国立博物館

 

 ソウルの地下鉄Ichon駅が最寄りの「National Museum of Korea(以下、韓国国立博物館)」は、常設展は入場無料にも関わらず、クオリティが高い。それでいて、人出は少なめなので、お勧めできる博物館である。

 

 また、韓国は「アメリカ製のミサイル防衛システムの設置」により、北京の逆鱗に触れたため、中国お得意の「嫌がらせ」で大陸からの団体客が激減しているので、観光するのは割と快適である。

 

 最寄りの Ichon駅から博物館にアクセスすると、箱型の近代建築が迎えてくれる。遠方にソウル・タワーが望める大きく抜けたファサードの左右に、博物施設を擁する。向かって右側が常設展の博物館、左側が企画展の有料展示という基本構成になっている。博物館の手前の湖には鯉が凛として泳いでいる。

 

 

 「無料の博物館」であるからといって、内容が著しく劣るかというと、そうではない。韓国の古代から近代までの文物を広くカバーしている。

 古代の朝鮮人の人骨や土器が並ぶ古代コーナー、青銅器なども美しい。個人的に最も心躍ったのは、近現代の「朝鮮家具のコーナー」であった。すっきりしたデザインながらも、蝶番が凝っていて美しいもの、やたらめったら引き出しがついているもの、極彩色に彩られた家具、どれも見ていてワクワクする素敵な家具たち。

 

 中国本土、朝鮮、琉球、日本、それぞれの文化はお互いに影響を与えあってきた。それでいて、微妙にご当地の文化が透けて見えるものに、今日の携帯電話や車などの「画一的なグローバル商品」にはない美しさを感じる。

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 AppleSAMSUNG、フアウェイ、シャオミー、現代、ダイムラー、トヨタ、ホンダ、日産、ルノー、IKEAUNIQLOHMZARALVMHなどなど、世界のどこでも同じ商品が手元にある今日の世界。グローバル化は必然とはいえ、かつての小国単位で文化の異なる世界に想いを馳せるには、博物館は良い空間である。

 

 中国の都市部の大型博物館も、無料の施設が多いが、それは「有料だと誰も来なくなってしまう」という理由が大きい。しかし、韓国人の多くは、すでに文化的にも先進国民である。それでも無料でこれだけのクオリティの文物を公開しているという心意気に、「さすが、やりますね」と敬意を表したい。

 

 

 

韓国国立博物館、またお邪魔します。