ラオスの大部分はプリミティブ

 

 「ラオスの古都ルアンパバーン」について書いています。

 

 古都ルアンパバーンの町は、土色をしたメコン川が大きく曲線を描いて曲がる川沿いに位置する。宿やレストラン、寺が密集するエリアからメコン川を渡し船で渡ってみると、ツーリズムの発達した対岸の町からは想像できない、「本来のラオス」が顔をのぞかせる。

 

しかし、ラオスにおいては、首都ビエンチャンや南部の街パクセーのように大きめの街、ルアンパバーンやバンビエンのように観光で栄える町は特殊な地区であり、まだほとんどの地域がこうしたプリミティブな風景が広がっていると考えて良い。

 

 渡し船の料金が、ラオス人3000キップ、外国人5000キップなのは、外国人を「歩く財布」と考えているラオス人らしさ。援助されることが当たり前だと考えている彼らには、こうした外国人に対する不当なダブル・スタンダード料金設定が、どれだけラオスという国のブランド価値を落としているのか分かっていない。ASEANの多くの国で、今もこうした「ダブル・スタンダードによる自国ブランドの毀損」は続いている。

 

 お隣の経済中進国となったタイ王国の「外国人に対するタカリ根性」も大変なものだが、タイ王国から30年遅れるラオスにおいても、すでにその根性は根付いている。さすがタイ王国の裏山である。人によってはラオスを「タイ王国の奥座敷」などと奥ゆかしく呼ぶが、ラオスにはほとんど「座敷」はない。

 

 さて、12分の束の間の船旅の後、対岸へと渡った旅人の目には、赤い土色の「本来のラオス」らしい風景が目に飛び込んでくる。タイ王国の首都バンコクに、ディン・デーン(赤土)という地区があるが、ディン・デーンの道はほとんど舗装されてしまっているので、本来の赤土は見ることができない。しかし、ルアンパバーンのこの地は、まさに赤土だ。

 

道は舗装された場所の方が少なく、でこぼこの道を登下校の子供達が傘をさして歩いていく。集落と呼ぶに相応しい住居がいくつか寄せ集まり、村を構成している。栄えた町に近い地域には電気は通っているが、道には電灯は見当たらず、日が暮れるとあたりは深い闇に包まれる。「夜が暗い」という自然界に近い状態が毎日訪れる。村が暗い分、星空は綺麗だ。

 ラオスの人口は700万人弱。その大部分が、まだまだ昔ながらの生活を送っている。「ラオスに何があるというのか?」と問われれば、「(インフラ整備の遅れによって残った)手つかずの自然」という答えが一般的だ。教育・医療・文化の各分野のレベルはまだまだ低く、お隣のタイ王国の人々からすると、「裏山に住んでいる東北地方の方言を話す農民たち」という認識が一般的である。

 

 タイ語で「流行遅れの行いをする人」のことを「ラオ」と呼ぶ。これはラオスの各方面で遅れている状況を比喩し、「あいつはラオだから」という言い方が定着したものだという。

 

 タイ王国の裏山に住む朴訥な人々の多いラオスには、まだ素敵な笑顔に出逢える可能性が高いが、衛生環境もかなり遅れている。ラオスを旅する人には荷物に抗生物質を入れておくことを勧めたい。

 

 

 

ラオス人は素朴で可愛い

 

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