ラオスにて、ASEANツーリング事始め

 

 タイ王国の裏山ラオスでは、バイクをレンタルしてツーリングするのも楽しい。ベトナムのように大量のバイク社会ではない交通量の少ないラオスでも、ワイルドな道が大部分なので、事故にだけは気をつけておかないといけないが、自分で移動手段を持つと、ラオスの旅は数段自由になれる。

 ラオス、ミャンマー、そしてカンボジアはASEANの中で最も経済発展の遅れた地域であるが、実はラオスの物価はタイ王国よりも高い。というのも、ラオスには大きな産業がないため、生活に必要な多くの物資を隣国のタイ王国やベトナム、そして中国やカンボジアからの輸入に頼っているからだ。

 

 

 というわけで、ラオスの町でバイクのレンタルに行ってみると、タイ王国製のホンダやヤマハのバイクは、タイ王国でレンタルするよりも高い。またベトナムや中国製の品質の劣るバイクもあるが、こちらもやはりそれらの国々よりも高い。

 

 具体的な金額で言うと、タイ王国では125-150ccの排気量の小型バイクが1日当たり5-7USDでレンタルできるが、ラオスでは最低でも10USD程度はみておかないといけない、といった具合だ。

 

 これまでにASEANでは、タイ王国・カンボジア・ベトナム・フィリピン・インドネシア・マレーシア、そしてラオスの7カ国でツーリングを楽しんできた。この中で経済発展の度合いとバイクのレンタル料金が釣り合わないのは、ラオスだけであったと記憶している。

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 そして、ラオスでは公共交通やバイク・タクシーの料金もこの国の経済状況とは釣り合わずに高い。近隣国と比べるとバイクのレンタルも上記のようにやや割高に映るが、バイクで自由に移動ができるのは、移動手段の限られたラオスを色々と動き回る予定の旅人にとっては、他の交通手段と比べるとやはり安くつく。なにより公共交通網の脆弱なラオスにおいては、旅の自由度が格段に高まる。

 かつて、南部ラオスの定番のツーリング・コースである、ターケークの町から反時計回りに国道12号、8号を通って近隣の町とコンローの洞窟(Konglo Cave)を巡り、道中1泊して、国道13号線を通り、ぐるりと300キロほどのサークルを描いてターケークに帰ってくる旅をしたことがある。その時のことを何回かに分けてここに記しておこう。

 

 まずは、バイクの調達だ。ターケークの小さな町には、バイクのレンタルをしている店は少ない。自分がバイクを借りたのは、ターケークの最も栄えた場所にある、メコン川に近いT字路の小さな広場に面した場所にあるレンタル・ショップであった。土色のメコン川の流れの向こう側は、タイ王国である。

 

 ただし、「最も栄えた」といっても、辺りには背の高いビルはなく、ターケークでは34階建ての中級ホテルが高層ビルになり、通常は平屋か二階建ての建物がある程度だ。

 

 グーグル・マップにもこの店の情報は載っていないので、ショップの並びにある銀行のATMを目印にこの店を探すと良いだろう。そもそも「ATMなどが町の目印になるのか」という疑問はあるだろうが、行ってみるとすんなり見つかるのがラオスの田舎町だ。

 

 バイクのレンタル店からさらに西に50メートルばかり行くと、メコン川に突き当たり、川向こうはタイ王国のナコン・パノム県だ。ターケークよりもずっと発展しているナコン・パノム県では、タイ王国製の日系企業のバイクが安く借りられるのに、ターケークでは同じバイクのレンタルが割高になる。

 

 この旅では、せっかくなので、普段あまり見ることのない中国製のレンタル料金の安いバイクを借りることにした。確か3日間のレンタルで、17USDほどに値切った記憶がある。ラオス人はあまり値段の交渉をしないというが、借りるものが中国製のバイクなので、中国ばりに値段交渉をして落ち着いた値段である。

 

  さて、どこの国でもバイクを借りる際には、走行距離の少ないもの、ライトが点灯するかどうか、ブレーキの効きはどうか、車体外観のダメージが少ないもの、バック・ミラーの付いているもの、シフト・チェンジは円滑にいくか、実際に店の近くを試乗してみて問題がなさそうなものを選ぶ。

 

 これがベトナムだと走行距離のタコ・メーターをいじって、走行距離を少なくしている場合もあるが、大方のラオスの人々はそこまではしない。

 また、借りたバイクの写真をすぐに撮る癖をつけておいたほうが良い。返す時になって、「ここに傷があるから追加料金を払ってくれ」と言われた時に、「借りた時にすでに傷はついていたよ」と証拠写真として見せることもできるからだ。

 

 通常、バイクのレンタル時には、パスポートなどのIDを店に預けることになるのだが、パスポートを返してもらわないと他所の国にはいけなくなる。泣き寝入りして追加料金を払わされるよりも、先手を打って証拠写真を残しておくのが賢明だ。

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