ラオスの首都ビエンチャンは、一国の首都であるものの、観光資源に乏しい街だ。
ここを訪れる多くの外国人の目的は、北にあるかつて米軍の飛行キャンプのあったバン・ビエン、古都ルアンパバーンへの道中のために立ち寄るか、隣接するタイ王国へのビザを取得する為であることが多い。「ビエンチャンの観光の為だけにこの地を訪れる」という人は少ない。
北部を目指す人々は素通りするか交通手段の都合で一泊だけし、この街をあとにするケースがほとんどである。ビザの申請に来た人々はといえば、タイ王国の領事館就労日の午前中に申請を行い、翌就労日の午後にビザ受領した人々たちは、そそくさとこの街をあとにするのであった。

数年前になるが、最後にビエンチャンを訪れた時のこと。見所のない街ではありながらも、その様子がまた変わりつつあるのが感じられた。街の経済規模に不釣り合いな中国資本のショッピング・モールや大型ホテル、その近隣にも近代的なショッピング・モールやオフィス棟、ホテルなどが建築中なのである。
中国の国家政策として、「一帯一路」というものがある。かつてのシルク・ロードの外交路のように交通網を西へ南へと拡充させるという戦略だ。表向きは経済支援・商業の相互発展を標榜するが、裏の目的としては進出国を支配してしまおうという中華思想も垣間見られる。おそらく、どちらも狙っていると考えて間違いなさそうだ。

中国大陸人というのは、「道路拡張工事」に始まり、「鉄道工事」、「不動産開発」、「ショッピング・モール建設」とこの手の開発が大好きで、大陸各地に需要も乏しいのに作り出した、不採算な鉄道網、ショッピング・モールやマンション群の「ゴースト・タウン」を形成するだけでは満足せず、ラオスに来てまで同じことをしようとしている。
中国大陸人には、「需給予測が極端に下手な人たち」が多くいるのだが、それは彼らが関わる国外プロジェクトにおいても同じである。役人たちは「造る」段階ですでにバック・マージンを得られている場合が多いので、「とりあえず造る」ことが目的になっているプロジェクトも少なくない。

中国大陸人というのは、「道路拡張工事」に始まり、「鉄道工事」、「不動産開発」、「ショッピング・モール建設」とこの手の開発が大好きで、大陸各地に需要も乏しいのに作り出した、不採算な鉄道網、ショッピング・モールやマンション群の「ゴースト・タウン」を形成するだけでは満足せず、ラオスに来てまで同じことをしようとしている。
中国大陸人には、「需給予測が極端に下手な人たち」が多くいるのだが、それは彼らが関わる国外プロジェクトにおいても同じである。役人たちは「造る」段階ですでにバック・マージンを得られている場合が多いので、「とりあえず造る」ことが目的になっているプロジェクトも少なくない。

もう数年もすると、開発中の物件がオープンし、ビエンチャンという街も外見上は急変していく。中身がないままに、箱だけ立派なものを勢いで建てまくった中国の轍を思い切り踏もうとしている、ラオスの首都ビエンチャンの先行きが心配でもある。

ラオスといえば、村上春樹の『ラオスにいったい何があるというんですか?』という紀行文集がある。元々はJALの機内誌に寄稿していた文章を膨らませ、一冊の本にしたものであるが、タイトルの「ラオスにいったい何があるというんですか?」という文言は、友人のベトナム人から言われた言葉だそうだ。古都ルアンパバーンで数日の余暇を過ごした村上春樹をしても、「ラオスに何がある」という具体的な答えを持てないラオスは、アジアの中の秘境の一つとして、ひっそりと訪れる旅人を待っている。「特に何がある」という訳ではないのだけれど。
まともな本屋すらないので、村上春樹としては読者の市場ではないのだろう。
ラオスよ、どこへ。
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