ミャンマー:アナンダ仏塔の仏像の持つ安心感

 

前回のブログバガンのアナンダ仏塔を訪ねるからの続きです。

 

 

バガン地区のオールド・バガンにおいて、最も重要な寺院の一つである「アナンダ仏塔」。素人目にも、その外観の美しさだけでなく、内部に安置されているブッダ像の多くも、他のバガン地区の仏塔・寺院と比べ、状態が極めて良いのが感じられた。

 

2013年当時、ここを訪れる参拝客の多くはミャンマー人の仏教徒であり、まだ外国人の方が少ないぐらいであった。それゆえ、ミャンマーらしさがまだ感じられる雰囲気の中、この現地の人々にとって重要な12世紀造のアナンダ仏塔・寺院の中を、やや場違いな旅人である自分の存在感を極力消しながら、それでも美しい仏像や現地参拝客の写真をこっそりと写真に収め、意識としては何か美味しいものがないか台所を探す猫のように、足音を立てないように歩いたことを覚えている。

 

 

アナンダ仏塔の内部の天井は高く、金箔で覆われた幾つかの立像が、やや薄暗い寺院の中に何体か立ち並んでいる。

 

アナンダ仏塔の仏像の視線は、像の下から見上げる参拝者たちを優しく見下ろすかのように、皆一様に斜め下に目線を向けている。仏像の下から見上げてみると、仏像が真っ直ぐに参拝者を見返してくれているかのような図式になる。

 

 

オランダの作家、ディック・ブルーナ氏の『うさこちゃん』というシリーズ絵本をご存知だろうか。「ミッフィー」という名前の白兎の繰り広げる日常、家族や友人、他の動物たちとの交流などの絵本であるが、ミッフィーや登場する動物たちは、皆一様に顔が正面を向いている絵本である。なぜ横向きに移動しているはずのミッフィーや登場キャラクターの全てが、常に読者の方に顔を向けているかというと、ブルーナ氏によれば、「子供というのは、真っ直ぐに見られていると安心をする」からだという。

 

アナンダ仏塔の中の仏像に見返されると、大きな力に守られているような安心した気分になるのは、ひょっとするとブルーナ氏が用いた「自分の方を真っ直ぐに見られていると安心する」という心理効果が用いられているのかもしれない。

 

 

次のブログ「バガンで最も背の高い仏塔へ」に続けます。

大きな力に見守られる安心感。

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