ミャンマー:背の高い仏塔から眺める夕陽の美しさ

 

前回のブログバガンで最も背の高い仏塔へからの続きです。

 

 

バガン地区で最も高さのある仏塔、シュウェサンドー仏塔(Shwesandaw Pagoda)の土台である四層目、五層目まで登り、夕日が沈む頃合いを待つ。さまざまな国からやってきた他の旅人や仏僧、またそうした夕日の見物客をあてにした物売りたちと歓談するうちに、夕日が次第に西の空の方に傾いてくる。

 

 

一緒にシュウェサンドー仏塔を訪れた旅人ローゼンは、長旅の男の性がそうさせるのか、現地ミャンマー人の参拝客の女性に無駄に抱きついて写真を撮影して辟易されたり、仏塔の角で妙なポージングで何枚も写真の撮影をせがんだり、そうかと思えば言葉の通じる欧米人女性には、やたらとシリアスな表情で一生懸命に好感度を保つような会話をしていたりと、分かりやすくアホで憎めない男であった。

そうこうしている間に、いよいよ西の空に夕日が沈みつつある。シュウェサンドー仏塔の周囲に点在する数百もの仏塔や僧院のシルエットが夕日に美しい。背の高い近代的な建物が目に入らない景色は、1000年から数百年間もの間、ほとんど変わっていないのではないかと思われる、時代を忘れさせる力を持った景色であった。

 

 

日の出や夕日が沈む頃合いの数十分を写真用語で「マジック・アワー(またはマジック・タイム)」という。太陽からの光線が日中より赤く、淡い状態の時間であり、金色に輝いてすら見える。太陽が水平線に対して0度から6度の角度の時を指すらしいが、そうした「正確な角度の話」など頭から吹き飛ばすだけの美しさがマジック・アワーにはある。

 

 

この時間帯はもう何を撮っても、心象風景としてこの世のものとは思えない美しい写真が撮れる。オールド・バガンで眺めたマジック・アワーをまたこの眼で見られるは、いつくるのだろう。軍事クーデターから内戦へと情勢が悪化し、シリアのような状態になり、いずれは北朝鮮のような独裁制の鎖国国家となれば、自由に彼の地をまた旅することは、しばらく困難となるだろう。

 

ミャンマー軍の上層部の一握りの我儘な老人たちが引き起こした軍事クーデターにより、その他多くのミャンマー人たちの生活と人生は急変してしまった。ミャンマーに商機を感じて彼の地に賭けた異邦人も、同様に多くの影響を受けている。再びミャンマーが民主的な方向に向かうための抜本的なソリューションが見つけられないまま、夜明けまでの暗い時代が長く続いてしまうのだろうか。

 

 

 

次のブログ「ミャンマー:現地のとあるバス事情を目にして」に続けます。

 

遠いミャンマーを想う。

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