ミャンマー:バガンの「川沿いのコロコロ丸い仏塔」

前回のブログ「ミャンマー:気軽に夜の仏塔が拝めるニャウンウー」からの続きです。

 

オールド・バガンには仏塔や寺院が多くあり、また近年では中級以上の宿も増えてきているようである。世界遺産にも指定されたバガンは、ミャンマー観光業の目玉としてマンダレー、インレー湖、バゴー、ヤンゴンなどと共に、急速に変わりつつある町である。

 

2013年に旅人ローゼンと私がバガンを訪れた当時は、まだ世界遺産に指定されていなかったのと、ミャンマーを訪れる人が少なかったのもあり、バガンはまだ牧歌的な雰囲気をぎりぎり残していた。

 

しかし、その後、20195月に世界遺産に登録された少し前ごろから観光客がどっと増え、様子が激変したらしい。かつては「普通の貸し自転車」が旅人の足であったが、今では「電動の貸し自転車」などもかなり普及しているという。

 

さらに、トルコのカッパドキアよろしく、バガンでも気球に乗って景色を堪能するような観光アトラクションも増えていたそうだ。2013年に私が訪れてから、たった8年の間にも、荒原の遺跡の町は急速に変化していたようだ。

 

そして、2020年からのコロナ禍によりミャンマーも鎖国状態となり観光業は瀕死の状態となり、202121日から続く軍事クーデターで、すっかりトドメを刺された様子である。

 

 

さて、オールド・バガンはエーヤワディー川の流れが南へと向きを変える、ちょうど角っこに位置するが、川沿いに特徴的な形をした仏塔がある。その名を「ブー・パヤー」という。「ブー」とはビルマ語で「丸い」とか「南瓜(かぼちゃ)」という意味だそうで、「パヤー」は「パゴダ」、つまり仏塔のことである。「ブー・パヤー」とは、「丸い仏塔」あるいは「南瓜仏塔」といった意味である。

 

 

このシンプルな形状の「丸い仏塔」だが、その建造年は3つほど言い伝えがあり、2世紀、3世紀、9世紀から11世紀といった具合である。なぜ建造年が不明なのかというと、元々の丸い仏塔は1975年の地震の際に倒壊し、側のエーヤワディー川に崩落したためという。やや眉唾ではあるが、「丸い仏塔」であったために、どんぐりコロコロという具合に、川に落ちてしまったそうだ。

 

 

現在、この地に建っている「丸い仏塔」は、完全に現代の材料で再建されたものであり、またその形状もややオリジナルとは異なるという。しかし、そのシンプルな「仏塔だけある」というスタイルは、パガン王朝の初期の仏塔の形状を忍ばせるものであり、次第に土台が高くなり、仏塔も絢爛豪華になっていったシュウェジィーゴン仏塔のそれよりも、随分と簡素でありながらも、味わいがあると思うのは私だけではないだろう。

 

夕暮れ時にエーヤワディー川に沈みゆく夕日を見ながら、ここでしばしの時を過ごした。ここから見る景色は、現代の船などを除くと、1000年前、2000年前からそう変わっていないような趣のある場所であった。おそらく1000年前、2000年前にも、美しい夕日の景色を眺めながら、ここで素朴な愛を語り合うカップルがいたのではないだろうか。

 

 

次のブログ「バガンが暫く世界遺産にならなかった理由」に続けます。

 

またいつか

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