ミャンマーへの初入国

 

前回のブログ「ミャンマーを想う」からの続きです。

 

 

タイ王国バンコクのドンムアン空港から、タイ・エアー・アジアの小さめの機体に乗り、ミャンマー北部最大の都市であるマンダレーに降り立った。所要飛行時間は1時間半ほど、バンコクを飛び立って安定飛行に入ったかと思えば、すぐ着陸態勢に入り、空の旅もほとんど国内旅行と変わらない感覚であった。

 

2013年当時、日本国パスポートの保持者であっても、ミャンマーに入国するにはビザの取得が必要であった。多くの国へ訪れる際に、「ビザ不要」なのに慣れている日本国パスポート保持者でも、「事前にビザの取得が必要」というだけで、やや敷居の高い国に来た気がするものである。

 

ところが、マンダレー空港の税関でも特に問題はなく、担当官はパスポートに貼付されていたビザの上に、ポンと入国スタンプを押し、読めない担当官サインを殴り書きしてくれ、それで難なくミャマー入国である。中央アジアの国々のように「滞在先がどこの宿だ」等を所轄の役所に頻繁に届け出る必要もなく、そのままシングル・エントリーで28日間まで滞在できるのであった。

 

その後、陸路・海路でミャンマーには何度か入出国しているが、ミャンマー税関の係官は「日本国パスポート」の保持者には概ね友好的であり、賄賂を求めてくることもないことが分かった。

 

ミャンマーでひどく腐敗しているのは、軍や警察の一部の特権階級であり、通常の政府機構の人々は、羊のように大人しく優しいミャンマー人がほとんどなのである。

 

預け入れの荷物もなく、背負ったバックパック一つで空港のアライバル・ホールを抜け、空港から北に40キロほど離れたマンダレーの街を目指すことになる。空港の到着ロビーの先には、乗合のバンの発着場があり、他の旅人と相乗りでマンダレーの街を目指すことになった。

 

実はこの時すでに、初めてのミャンマー旅行で盟友となる旅人のローゼンに出逢っているのであったが、この時はまだ全員見知らぬ旅人であり、乗合バンの中でも、隣にどんな人間がいるか気が抜けない状態である。お互いに表面上はできる限り友好的に振る舞いながらも、警戒心は高い状態をキープしているのである。

 

空港からマンダレー市街への道は、比較的スムーズな道であった。空港から街までの間は閑散とした景色であり、路肩の看板広告も少ない。交通量が少ない割に、だだっ広いだけが取り柄のような道の横に、大きな広告看板が一つ見える。その広告が、なんと「高級スイス時計のロレックス」。バンで乗り合わせた誰からともなく、「ミャンマーで誰がロレックス買うんだよ」とツッコミが入り、「そりゃ軍関係者だろ」とローゼンが笑いをとる。

 

空港からマンダレーの街までの束の間のバン移動、その間に随分と和やかな雰囲気になっていた。

 

 

次のブログ「マンダレー:旅人ローゼンとの邂逅」に続けます。

現在、ミャンマーの発着フライトはほとんど停止

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