マンダレー:旅人ローゼンとの邂逅

 

前回のブログ「ミャンマーへの初入国」からの続きです。

 

 

マンダレーの空港から他の旅人数人と乗合バンをシェアし、マンダレー市街へと入った。バンの運転手は寡黙な男で、旅人たちの間で交わされる会話に一切入ってくることもなく、街を目指しひたすら真面目に運転をしている。

 

乗合バンの中のムード・メイカーは、旅人ローゼンであった。彼は他の乗り合わせた旅人たちそれぞれに話しかけ、どこからきたのか、ミャンマーは初めてか、自分はずっと旅をしていてミャンマーで111カ国目などと話をしていた。「111ヵ国目?そんなにキリのいい数字だなんて、きっとビッグ・マウスな調子のいい奴なのだろう」とその時には思っていたが、その後、実はそれがでまかせなどではなく、本当なのだと知る。

 

マンダレーという地名は、パーリ語で「平原」を意味する「Mandala」や、同じくパーリ語で「幸運な地」を意味する「Mandare」からきているという。確かに、マンダレー・ヒル(丘)を街の北部に頂くほかは、ほぼ平地である。堀のある王宮跡が街の中心部にあるところなど、同じく平地で都市の中心に王宮を据える中国の北京を彷彿とさせるところもある。

 

乗合バンがマンダレーの街の中心地に着いた。バンを降りると、自分とローゼン以外の旅人たちは、すでにマンダレーの宿を決めているという。「とりあえず、現地まで行ってから、宿を探すか」という行き当たりばったりなスタイルで旅をしている旅人ローゼンと私。しかも、お互いに荷物はバックパック一つのみ。

 

私の背中のバッグには、コンピュータ、デジカメ、最低限の着替え、最低限の洗面用具類、街歩き用の小さめの鞄が入っていた。路面が凸凹であることを想定して、スーツ・ケースの類はミャンマーには相応しくないだろうと考え、極限まで荷物を削った結果であった。

 

同じく、旅人ローゼンの肩にもサムソナイトの小さなバックパックだけである。私たちのいでたちはどちらも大学キャンパスに行く学生のような感じであった。そして、ローゼンの頭にはベトナムから被ってきたような三角帽。「海外の旅で荷物がこれだけで旅している?なんだか変な奴だぞ」とどこか同じにおいを互いに嗅ぎつけた二人。

 

旅人ローゼンの方から、「宿をシェアしないか?まぁ、嫌だったら全く問題ないけど、ツインの部屋を探してシェアする方が経済的だろ」と提案してきた。

 

ミャンマーは経済的にASEANの中でも後進国であるが、実は宿代がそう安くないことで知られている。ツーリズムの発展したタイ王国やベトナム、マレーシアやインドネシアの方が、実はずっと多くのリーズナブルな宿があるのであった。

 

「ツインの部屋をシェアする」というのは、そう悪くない提案であると考え、「じゃあ、とりあえず部屋を見てみようか」と乗合バンを降りてすぐ近くにあったホテルに部屋を尋ねる。シングルに泊まるにしても、二人でツインをシェアするにしても、一部屋あたりの料金がそう変わらないことが分かり、「ガーデン・ホテル」という立派そうな名ではあるが、全く庭などないホテルに二日ばかり、この変な旅人ローゼンと部屋をシェアすることとした。

 

 

次のブログ「マンダレー:ミャンマーの可愛い子供たち」に続けます。

マンダレーは王朝都市

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