ミャンマー:旅人ローゼンと東南アジアの仏僧の類似点

 

前回のブログ「忘れ難きミャンマーの夜行列車」からの続きです。

 

 

マンダレー駅を出発した夜行列車は、道中ずっと激しく縦横に揺れ続けていたものの、大きな事故も全くなく、翌朝まだ辺りが暗い頃、バガン駅へと辿り着いた。

 

列車も線路もすっかり歳をとり、よちよちと歩く老馬や老犬のように、側から見ているととても心配になるが、ガタがきている本人からすると、割と普通のことのように思って走っているのかもしれない。

 

さて、小さなバガン駅の外に出てみると、まだ辺りが暗い時間にも関わらず、そこにはすでに何台かのリクシャーが待ち構えていた。旅人ローゼンと共にその一台に乗り込み、「とりあえず、ツインの部屋がある宿に向かって」と伝え、宿の予約がないままにリクシャーは走り始める。

 

リクシャーが顔馴染みでコミッションも貰えるであろう宿に着き、早朝なのですっかり眠っているレセプションを叩き起こし、ツインの部屋、シングルの部屋の空きと値段を確認する。結果、旅人ローゼンと古都バガンにてまた部屋をシェアすることとなった。

 

急いでチェックインを済ませ、夜行列車で風邪をひきそうなほどに弱った自分は、すぐにタイ王国から持ってきた風邪薬を飲み、数時間の深い眠りについた。幸い、宿のベッドは全く揺れておらず、風も吹きつけてこない。騒音もなく、静かなものだ。

 

さて、古都バガンについて記す前に、旅人ローゼンの旅の装備に関して記しておこう。

 

私はタイ王国からミャンマーにだけ旅をするつもりで、まずマンダレーにやってきた。荷物はバックパック一つのみ。旅先が一ヶ国で二週間ほどの旅程であれば、バックパックひとつでも割となんとかなるものである。

 

しかし、旅人ローゼンは私と出会った20132月時点で、すでに111カ国目の訪問国数となっており、2019年にはその数171カ国となっていた。111カ国目ともなれば、暑い国もあれば寒い国もある。色々と情報が必要な国もあれば、そうでない国もある。旅先が三桁にもなると、旅の荷物の中で色々と不要なものが研ぎ澄まされ、「小さなバックパック一つで足りる」という結論に至ったようであった。

 

ローゼンは、服の替えもほとんど持っていなかった。彼が常に丈夫な水着のようなショート・パンツを履いているのは、「荷物を極限まで減らすために、下着すら履かないで旅をする」という彼なりの工夫とスタイルに達した為であることを知った。もちろん、水着の下では彼の逸物がブラブラと揺れているわけである。出会った当初に「俺は下着のパンツを履いていないし、そもそも持っていない」とは聞いていない。そんな自己紹介をされたら恐ろしくて、宿の部屋をシェアはできなかったであろう。

 

 

東南アジアの仏教寺院の多くには、肌を露出した格好での参拝を禁じるルールがある。女性の場合はタンクトップやスカートでの参拝を禁じている寺が多く、男性の場合は短すぎるショート・パンツはNGである。

 

旅人ローゼンの水着は丈が絶妙で、ギリギリ膝小僧が隠れる長さであり、東南アジアの多くの仏教寺院において、男性のズボンの長さの目安は、「膝が隠れているかどうか」であった。ということで、旅人ローゼンは水着の下には下着を履いていないが、その丈的には「膝が隠れているので参拝オッケー」というギリギリな線をクリアしていた。

 

 

実の所、東南アジアの仏僧の殆どは、袈裟の下に下着を身につけていない。袈裟の下は皆ブラブラさせているのである。旅人ローゼンだけが特殊なのではなく、「基本的に、東南アジアの仏僧は袈裟の下はフリチン」なので、そこは失礼に当たらないのであった。

 

 

次のブログ「穏やかなバガンの風に吹かれて」に続けます。

知りたくなかった?

そのほかの「ミャンマーの記事」

そのほかの「ASEANの記事」