ミャンマー:夕日に映える世界最古のチーク橋

 

前回のブログミャンマー:演出感が鼻につくバガヤ僧院からの続きです。

 

旅人ローゼン、日本人の旅人Tさん、そして私の三人のジープ・ツアー。ツアー最終目的地であるマンダレーの南、アマラプラにあるウーベイン橋へと向かい、いよいよフィナーレを迎える。

 

ウーベイン橋は1849年から1851年にかけて、この地にアマラプラのアヴァ王朝があった頃、タンタマン湖を横切るように建てられたという。橋の名はその当時のこの地の知事の名を冠しており、「ウーベイン」という名は、後世にまでずっと残ることとなった。

 

さて、ウーベイン橋は「主にチーク材を使った橋として世界最古の橋」であり、また約1.2キロある橋は「チーク材の橋として世界最長」でもあるという。ぱっと見、所々かなり歪んでいるようにも見えるウーベイン橋は、ビルマ伝統の建築技法で建てられたという。測量には技術者が歩いた「歩測」が用いられたというから、多少の誤差はあって当たり前なのであろう。

 

ウーベイン橋の最も美しい時間は、やはりサンセットの間際であろう。空が夕日に染まり、タンタマン湖に映るウーベイン橋、行き交う人々のシルエット、遠景に見える仏塔やパゴダの尖塔がなんとも美しい。ウーベイン橋には照明の類が付いていないので、日が落ちてしまうと真っ暗になってしまうのであるが、それもまた良い。人工的な灯りでギラギラと照らされるよりも、19世紀の建造当時の状況のままの方が、はるかに趣がある。

 

 

ウーベイン橋が造られた当時、この橋は主に生活のためにあった。タンタマン湖を迂回して人々が行き交うのは時間も労力もかかるが、この湖の上をショートカットしていくことのできる橋は、湖上のハイウェイであったのだろう。今もそうした用途にこの橋を使う地元民はいるというが、夕暮れ時になると多くの観光客で賑わうようになっており、橋の西側の観光スポットには往時の静けさはない。

 

我々ジープ・ツアーの三人が訪れたのは、2月の乾期の時期であり、タンタマン湖の水位も低く、湖も幾分小さい時期であった。78月の雨季には、水嵩も高くなり、湖の表面積もいくらか広くなる。おそらく、2月の時点では剥き出しになっていたウーベイン橋の袂にも、雨季には水が張っているのであろう。

 

ジープ・ツアーであったので、1日でこれだけたくさんの場所をホッピングできたが、これが自力でとなると、数カ所回っただけでお腹いっぱいである。マンダレー、アマラプラ、インワ、そしてサガインの王朝があった地区は30キロ圏内に集まっているので、次回またマンダレーを訪れる機会を持てれば、もっとゆっくりと時間をかけて、一つ一つの仏塔や寺院も細部までよく観て周り、地元の人々との交流も楽しみたい。

 

 

しかし、ミャンマーは現在、軍事クーデターの最中にある。202121日に唐突に民主的に選ばれた政権を否定し、軍部がミャンマーを武力で掌握。その後、3ヶ月経ってもいまだに状況は改善せず、分かっているだけでも非武装の市民を七百数十人虐殺し、さらに三千数百人もの人々が拘束や虐待を受けている。国境は固く閉ざされ、凶悪な行為が世界に知られることを嫌った軍部は、インターネットすらもほとんど遮断してしまった。

 

 

次回ミャンマー再訪は、いつのことになるか分からない。それまで彼の地の人々の心が挫けないよう、傷ついた心が早く快復するよう願ってやまない。

 

 

次のブログ「マンダレー近郊のジープ・ツアーを終えて」に続けます。

 

次回は橋を歩いて往復したい

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