あるスター・ウォーズの物語 『ローグ・ワン』

 

 1216日に世界公開された『ローグ・ワン:スター・ウォーズ』2D3Dでベトナムにおいて二度観てきた。

 

 まず、2D版を中部都市のダナン(Da Nangで観たのであるが、ベトナム人には中国大陸人よりも躾のなっていない人々が多く、劇場内は終始騒がしく、映画を鑑賞しにきたのか、自分の忍耐心を試しに来たのか分からない感じであった。ベトナムは中国大陸を20年遅れて追っているような社会である。

 

 少し価格の高い3D版(それでも85000VND、約425円)を数日後の平日にわざわざ観直しに行った。幸い、ホーチミンの生まれ故郷であるビン(Vinh)の駅前にできたロッテ・シネマでは、行儀の悪いベトナム人の他の観客を気にすることなく、3Dの『ローグ・ワン』をほぼ劇場貸切で堪能することができた。

 

 ただ単に、駅前にできたばかりのモールへの客の入りが悪かっただけであるが。    

Rogue One: A Star Wars Story

 

PG-13 | 2h 14min | Action, Adventure, Sci-Fi | 16 December 2016 (USA)

 

 

Director: Gareth Edwards

Writers: Chris Weitz (screenplay), Tony Gilroy (screenplay) 

Stars: Felicity Jones, Diego Luna, Alan Tudyk

 

 

Disney Japan 『ローグ・ワン』

http://starwars.disney.co.jp/movie/r1.html

 『ローグ・ワン』は、『スター・ウォーズ:フォースの覚醒』の続編ではなく、これまでのスター・ウォーズのシリーズに独立した挿話(スタンドアローン)を挟み込む内容のもの。そのため、「A Star Wars Story」とタイトルにもあえて文言が添えられている。

 世界の映画市場の中で、アメリカに次いでずっと第二位の市場であった日本の映画市場が数年前に中国大陸の映画市場に抜かれ、今回のキャスティングにもその影響が垣間見られる。

 

 大陸から俳優であり実力派監督でもあるJiang Wen、香港からはDonnie Yenの二人の大物が参加している。日本が第二位の映画市場のままであれば、真田広之や北野武などが出演していたであろう。

 今回、中国からの二人組の出演は、いかにも「興行のために中国人を出しました」という感が強いが、実のところ、この二人の華人社会での映画キャリアは、他の多くの欧米人キャストの経歴をはるかに圧倒する。むしろ、「この二人と共演できて光栄です」というのが、若手の欧米人俳優たちの心情ではないだろうか。

 さて、監督のギャレス・エドワーズについて。

 

 イギリス人の彼は、1975年生まれの「41歳という若さ」でこの世界的にビッグ・ビジネスと化している映画のメガホンを取っている。撮影から公開まで2年はかかっているであろうから、39歳の時には撮影に取り掛かっているということだ。

 

 ハリウッド版のゴジラを撮っているキャリアがあるとはいえ、これだけの巨大作品の監督を務めるとなると、相当なプレッシャーもあったことであろう。なにせ前作の『フォースの覚醒』は、世界で数千億円の興行を叩き出しているモンスター作品である。

 彼が映画監督を目指すことになったきっかけは、スター・ウォーズの第一作目であるジョージ・ルーカス監督の『スター・ウォーズ:新たな希望』(1977)、そして同年のスティーブン・スピルバーグ監督の『未知との遭遇』があったというが、1975年生まれのギャレス・エドワーズが2歳にしてこれらの作品を劇場で観ている訳はないであろう。きっと少年になってから観たということだ。

 

 それでは、慣例の25点満点の数値評価をしておこう。

 

 

『ローグ・ワン:スター・ウォーズ』(2016

 

Visual: 5

Performance: 4

Screenplay: 4

Sound & Music: 5

Originality: 4

合計25点満点で22点!

 

 

 潤沢なバジェットを惜しみなくかけたであろう映像は申し分なかった。どこを切り取っても「絵葉書として売れる」レベル。スター・ウォーズ・シリーズのオープニングの宇宙に文字ロールが流れていく「あのシーン」がなかったのは、身構えていた往年のファンには少し寂しいものであったかもしれない。

 

 音楽はそつなく美しく、心地よい。本作は「独立した挿話」であり、また物語の上では、再登場する人物が少ない結末となっているのがやや寂しくもあるが、こういう作品が幾つも創れるだけの「世界観の広がり」がスター・ウォーズにはある。

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 本作はほぼ世界同時公開で、国外の作品の公開が遅い日本でもほぼ同日に公開された。願わくば、日本の劇場の鑑賞料金も、アジアの諸外国並みに下がってくれると良いのであるが。

 

 シンガポールを除いたASEANのように、スターバックスでカフェ・ラテをオーダーするぐらい気軽な料金(300円から500円)とは言わずとも、せめて、お隣の台湾ぐらい(約1000円前後)になると、劇場にもっと気軽に足を運ぶ人が増えるのではないだろうか。

 

 

 

 

スター・ウォーズ、次回作にも期待