ボラカイ島:島を見渡す高台と原住民居住地区

 

 フィリピンのボラカイ島について書いています。

 

 旅人は、主に「美しいビーチ」を求め、ボラカイ島にやってくる。

 

 では、「ボラカイ島にビーチ以外になにがあるか?」と問われれば、「島をある程度見渡せる高台」、そして、島に早い段階から移り住んでいたとされる「原住民の居住地区」などが挙げられる。どちらも行くのに少し時間がかかるが、その割に滞在時間は短い場所である。特に、「原住民の居住地区」は観光目的の場所になっていないため、その地区に入ることは「本来は」好ましくないようだ。本来は。

 まず、「島をある程度見渡せる高台」であるが、ここは「Mt.Luho」と呼ばれるように、本当は山らしい。ルホ山。しかし、いざ登ってみると、「丘か高台と呼ぶのがせいぜいだろう」と感じる。

 

 高台、いやルホ山へは島の中央のバラバック地区のバラバック・ビーチまで行き、そこから島の北側へと続く道(Boracay Mt.Luho Rd)を北上する。歩いて行けなくもない距離ではあるが、日差しの強い時間帯の歩行はなるべく避けたほうが良い。フィリピンの日差しは強烈だ。

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 高台に登る前に、入場料を支払う関所があるが、日本人の場合、グループでチケットを購入している中国人や韓国人の団体客に紛れてしまうと、個人旅行者はそのまま入れてしまうこともある。実際、私はしれっとした顔でその恩恵に預かった。

 

 そして、煩わしい団体客が去るのを待ち、高台からの眺めを堪能する。遠くには幾つかのビーチのあるエリアが見え、またこれから開発されていくであろう地区も見える。

 

 2018年にボラカイ島は「環境保全の目的で(一部)閉鎖された」という話を聞いていた。しかし、実際のところそれは表向きのエクスキューズで、実際には「大陸からの団体客など、カジノ付きの大型ホテルを建設していた」という話だ。

 

 お金大好きのタイ王国であっても、観光客に踏みにじられた環境を再生するために、プーケット島とクラビの間にあるピピ島を閉鎖している。フィリピンの観光業・交通網などのインフラは、タイ王国の一歩後ろにあるが、タイ王国が通った観光公害による環境破壊をそのままなぞろうとしているのが残念なところである。

 

 

 

 さて、ボラカイ島は最長部分の長さでも10キロもない島なので、2015年・2016年に年間150万人の観光客が来ている時点で、島の中央地区は飽和状態であると感じた。さらに、2017年には年間200万人以上もの観光客が訪れたそうで、その2年後の2019年には250万人を数えるのかもしれない。そうなると、もう島のキャパシティーを超えていると言えるだろう。

 さて、続けて「原住民の居住区」について。

 

 原住民といっても、数百年前からこの島に住み着いていた人々ではなく、割と近現代になってからこの島にやってきた人々のことを指す。この原住民の居住区は、島の幾つかの場所に点在するのであろうが、最もアクセスのしやすいのは、バラバック地区のブラボック・ビーチの南はしにある辺りの集落だろう。この集落を垣間見に行くのは、まだ涼しい明け方が良い。夜も涼しいが、街灯などがないからだ。

 

 日中は陽が強く、夜にはこの地区はやや危険な雰囲気がある。見ず知らずの観光客が居住エリアに入ってくることの方が、先方からしたらずっと危険なのだろうけれど。

 明け方のブラボック・ビーチの入り江は、静かで美しい。島の反対側数百メートルにあるホワイト・ビーチの喧騒が嘘のようだ。ボラカイ島は中規模なサイズの島なので、同じ島の中でも色々な顔を見せてくれる。観光業で飯を食べている人々からすると、多くの観光客がやってくるのはありがたいことなのであろうが、美しいボラカイ島の景観と雰囲気が保たれるには、すでに観光客の入島制限が必要なのではないかとも思える。カジノ付きの大型ホテルが開業するなど、その兆しは全く見えないのだけれど。

 

 ボラカイ島がさらに混雑し、タイ王国のプーケット島のようになってしまう前に、美しい島の残り香を嗅ぎに、そして島で働く顔見知りになった友人たちの顔を見に、また訪れたいと考えていたが、それも叶わぬ夢となってしまったのかもしれない。

それでも気になるボラカイ島

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