ボラカイ島:「リトル・コリア」か「チャイナ・タウン」

 

 フィリピンで美しいビーチのある島として特に有名なのが、パラワン島とボラカイ島である。パラワン島は一つの行政地区になるほど大きな島であるが、ボラカイ島はアクラン県に所属する小さめの島だ。

 

 しかし、ここには4キロにも及ぶ「ホワイト・ビーチ」という名の、文字通り長く美しい「白浜」があり、大小合わせると約20ものビーチが島のここそこに点在している。

 

 美しい島に憩いを求め、2017年には年間200万人以上もの人々が訪れている。その2年前の2015年には150万人であったというから、2年で50万人も訪れる人が急増しているのである。

 

 フィリピン人と外国人の比率はほぼ半々という内訳だ。ところが、ボラカイ島を訪れる外国人には2大勢力があり、この東南アジアの小さな島に「外来種による生態系の変化」をもたらしているように思える。

 その「外来種」とは、中国人と韓国人である。ボラカイ島を訪れる外国人の内、圧倒的な多数派は韓国人であった。しかし、近年、中国大陸の人々が「安くて綺麗な海」を求め、諸外国に旅をするようになり、モルディブやタイ王国を喰い荒らすだけでは飽き足らず、ここフィリピンのボラカイ島にも随分と中国人が訪れるようになってきている。

 

 そして遂に、2017年には中国人観光客数は韓国人訪問客数を抜き、一位に躍り出ている。

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 韓国人はどこの国でも、まず「韓国コミュニティー」を作りたがる傾向がある。ここボラカイでも韓国料理のレストランを開き、韓国系のホテルやゲスト・ハウスを運営し、韓国系の食材を販売するスーパーを展開するといった具合だ。

 

 そして今日、韓国人以上にボラカイ島を席巻する中国人観光客は、集団でやってくるケースが多く、横に広がり道をふさいで歩き、話し声が無駄に大きく、ボラカイ島の海で泳ぐよりも、「奇妙なポージングやひょっとこのような顔をして、自分の写真を撮ることに時間を存分にかける傾向」がある。

 

 下手をすると、ビーチで海を見たり泳いでいる時間よりも、自分の写真を撮り、写りを確認し、画像補正をして、微信(うぇいしん)などのSNSで友人のネットワークに「いまボラカイにいます」的な写真を投稿している時間の方が、遥かに長いのではないかと思われるほどだ。この典型的なセルフィー中毒・SNS中毒といった中国人の動きは、ボラカイ島に限った話ではないが。

 長らくフィリピンで拡大を続けてきた韓国人コミュニティーでは、ハングルだけでも島で生活できるところまできており、新興勢力である中国人たちは、その勢いと無駄に大きな声量で島の空気を乱している。もともとのボラカイ島の原住民は少なく、観光業が発展した後になって、この島に他所からやってきたフィリピン人労働者が多いのも、ボラカイ島の特徴の一つであるようだ。