世界の広場の中でも最も美しい広場の一つ、「モスクワの赤の広場」に面した百貨店のGUM。その中に「面白系デザインTシャツ」を扱う店が入居していた。
どこの国でも、ご当地の「面白系デザインTシャツ」を見ると、その国の人々のユーモアのツボや政治的な状況が透けて見えてくる。

ロシアのGUMに入居しているこの店の主力商品は、なんと「プーチン大統領」の図柄のTシャツであった。
表立ってプーチン大統領を批判すると、「良いことが何もない」のがロシアの政情であるが、批判ではなく「ポジティブな言論」であれば、「許される」どころか「後押しを得られることがある」のがロシアである。
日本で「安倍首相」の「面白系Tシャツ」を作っても、在庫の山が残るだけで売れ行きは芳しくないだろう。「家業が政治家」仲間の「麻生副総理」であれば、口元が歪んだ「あの生粋の悪代官顔」は、「面白系Tシャツ」には親和性があるかもしれないが。

さて、「プーチン大統領」をクールに描いたもの、犬好きな温かい人柄として描いたものは、「プーチン大統領」にとって「ポジティブな言論」となるのでロシアの政権にとってウェルカムである。
逆に、お隣のウクライナで見られるように、「プーチン大統領」を「ヒットラーにデフォルメした図柄のTシャツ」にしたり、トイレット・ペーパーに印刷して売るなどは、あとあと「良いことが何もない」のがロシアである。
ロシアのパペット・アニメーションの最高傑作である「チェブラーシカ」のデザインTシャツも売られていた。シンプルなTシャツが30ドルぐらいしたので、指を咥えてその場を立ち去った。
チェブラーシカは可愛いのだが、「Tシャツの値段」が全然可愛くなかったのだ。タイ王国のTシャツのように100バーツ(350円ぐらい)と言わずとも、せめて10ドルぐらいだったら気軽に買えるのだが。

「プーチン大統領」と「日本から送られた犬」の温かくユーモラスなTシャツがあった。どこか「ソフトバンクのCM」的な雰囲気もある。
ロシアでこれを着ていても大きな問題にはならないだろうが、一歩ロシアを出ると「かなり変な人」だと見られるだろう。また、日本で部屋着にするならまだしも、ウクライナでこれを着て街を歩いたら、道端で殴られるのがオチである。

ソフトバンクCM風のは、ちょっと欲しい。