シンガポールの空港はLCCターミナルも快適

 

前回前々回と「シンガポールのチャンギ国際空港」について書いています。今回はその続きです。

 

シンガポールのチャンギ国際空港には、現在ターミナルが3つある。そのどれもが国際線である。国土の狭いシンガポールには、国内線が存在しないのである。

 

国際空港とはいえ、ターミナルが三つもあると、大手の航空会社とLCCのそれとではターミナルの造りに差があるのではないかと思うところだが、シンガポールのチャンギ国際空港に関しては、そうしたことがないのが嬉しい。

 

日本の某○田国際空港などは、LCCのターミナルは他の大手航空会社のフライトのあるターミナルから隔絶された場所にあり、またその造りも暫定的に作られただけのプレハブ小屋のような、明らかに「君らは安い航空会社に乗るのだから、これぐらいで十分でしょう」というような蔑視を感じる造りのターミナルとなっていることもある。

 

しかし、シンガポールのチャンギ国際空港は、そうした「フライト差別」をしないのである。歴史のある国営の大手航空会社であろうが、新興企業のローコストが売りのLCCであろうが、「シンガポールの空港にいる限り、みなさん全員がゲストなんですよ」という哲学と姿勢が伝わってくるのだ。

前回、シンガポールからタイへと向かうフライトの際、LCCのフライトに乗ることになっていた。「まぁ、LCCだし、ターミナルが多少粗末であっても、仕方がないかな」と考えていたのであるが、そうした考えは良い意味で裏切られることとなった。

 

搭乗口には最新鋭の搭乗手続きの機器が備えられ、空港職員も誰彼の区別なく、乗客に対して適度な暖かさと親しみを持って接してくれる。

 

ターミナルに入ってみると、大手航空会社のターミナル、LCCのターミナルという日本の某成○国際空港のような区別はなく、行き先の方面や時間で便宜的に分けられたというだけの区別しかないように思えた。

 

また、ターミナル内のショップ、レストラン、休憩エリア、Wi-Fiの接続性、エンターテイメントに関していうと、どのターミナルでも差異を付ける気が無いのが感じられる。ターミナル自体の新旧はあるにしても、どこのターミナルを使うか、どこの航空会社の便に乗るかによって、区別をするという姿勢は全く見られないのであった。

 

自分がチャンギ国際空港のLCCのフライトを待つウェイティング・ルームには、壁にプロジェクション・マッピングの技術を用い、待ち時間の間に「シンガポールのお店の歴史・この地の風俗」などが分かるエデュテイメントなコンテンツが上映されていた。LCCのウェイティング・ルームにおいてである。

※音が出ます

 

数年前に日本はシンガポールに一人当たりのGDPで追い抜かれたことは知っていた。そして、その開きは今日では2倍ぐらいにまで開きつつあることもデータとして知っていた。

 

「シンガポール、なんという心と経済的な余裕であろう。LCCを使う人々に対してさえ、「この地にいる間には利用する航空会社の瑣末な区別なく、快適に過ごしてもらいたい」、そうした「大人の対応」ができるまでに成熟し、心の広さがあるのだ。」と痛烈に感じることとなった。

 

シンガポールは人種の坩堝・多様性(華僑が多いがマレー系やインド系、その他のマイノリティも少なくない)を深化させ、2000年には400万人かそこらであった人口を2018年には50%増に近い584万人にまで増やしていた。分かりやすく明瞭なビジネス環境・税制によって、多国籍企業を惹きつけ続けるこの地は、日本が周回遅れどころか二周も三周も遅れてしまっていることを、「単なる空港のターミナル一つ」でも利用者に体験させるだけの発展を遂げていたのである。

シンガポール、侮れない。

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