バンコクのとあるショッピング・モール:セントラル・エンバシー

 

タイ王国の首都バンコクには、いくつもの大型ショッピング・モールが林立している。かつては流行っていた日系のショッピング・モールであるセントラル・ワールドにあった伊勢丹が2020年に閉店し、20211月にはMBKにあった東急が同じく閉店した。

 

日系のショッピング・モールの過ちは、「日本にあるショッピング・モールを現地に持っていく」というやり方のみで展開し、すでに日系のショッピング・モールが世界的にも遅れている存在であることを受け入れないところにあるのでは無いかと思う。「おもてなし」や「メイド・イン・ジャパン」などにこだわるあまり、現地の人々の求めるニーズとの間に、最初から最後までギャップが埋まらないのだ。挙げ句の果てには、「現地の人は日本式のこの良さが分かっっていない」などと開き直ったりする輩もいたりするので、始末に悪い。

 

さて、大型ショッピング・モールやホテル・チェーンをタイ王国の各地に展開するグループの一つに、セントラル・グループがある。タイの人々が求める「涼しくて長時間快適に過ごせる、おしゃれな空間」というニーズに合致した巨大モールを数十も展開するが、バンコクの中心地にある系列店のセントラル・エンバシーは異彩を放っている。

 

外観や内装は、「これでもか」というタイの巨大ショッピング・モールによくあるゴージャスな感じであり、価格帯も他のセントラル系列のショッピング・モールよりも高めのプライシングだ。店名に冠した「エンバシー」の名の通り、このモールは米国大使館や日本大使館など、各国の大使館のある地区に鎮座する。

 

ショッピング・モールの上部に入居するパーク・ハイアット・バンコクは、バンコクの高級ホテル群の中でも最上級のホテルの一つだ。一泊一万バーツはくだらない。(コロナ禍で大変なようだけれど)

 

さて、巨大ショッピング・モールの多くあるタイ王国において、「セントラル・エンバシーが異彩を放つ」のは、どんなところか。それは、「コロナ禍の前後の写真を見比べっても、前からずっと変わらずに客が少ない」のである。

 

観光業が経済の中心にあったタイ王国において、コロナ禍の長期化は街を様変わりさせている。かつて多くの人で賑わっていた場所が、ゴースト・タウンのようになってしまっているところも少なくない。

 

そんな中、セントラル・エンバシーは異端児であると言える。コロナ禍が始まる前から客足が少なく、コロナ禍が始まっても、もちろん客足が少ないのだ。そう、「ずっと客が少ない」のである。

 

各国の大使館が隣接するエリアなので、大使館の職員や家族などがやって来ることも見込んでいるのだろうが、通常、大使クラスの人々は車で移動するので、あえて「他のショッピング・モールよりも高いだけ」で差別化しているようなモールにはそう行かないであろう。また近隣で働く人々も「エンバシーは、他のモールよりも高い」ということを知っているので、買い物にはそう訪れない。

 

強いてセントラル・エンバシーの良さを挙げるとすれば、「常に他のモールよりも空いていて、快適」ということであろうか。

 

 

そんなセントラル・エンバシーにも、個人的には好きな場所が二つある。

 

次のブログに続きます。

空いているので、快適は快適。

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